9月4日(木) 痛みに対する医者の対応 中山幹著『後悔だらけのがん闘病』(告発するがん患者)の中に、がん治療に伴う痛みに対して医者が何の対応もしてくれなかったといったことが書いてあった。確かに治療や手術による痛みに対して医者は一般的に冷淡だ。やむをえない副作用としてあまり対応しようとしない。私の場合に痛みに対してどのように対応してきたか書いてみる。
入院してから4ケ月目、VAD療法第3回第2段階を開始した2月末肋骨が痛くて、医者に相談したが原因が分からず様子を見ようということになった。夜身体の向きによって、かなり痛みが感じられた。抗がん剤の副作用について詳しく読んでみたが該当する項目がない。肋骨に問題があるのか、内臓か、肺か、どちらにしても原因がつかめなければどうしようもない。上記3点だとどういった治療展望があるのか全くわからない。かなり心配になっていた。
帯状疱疹になる 翌朝になり、腹の周り発疹が出来ており背中にも痛みが広がっていた。朝医者に見てもらったら帯状疱疹ということであった。帯状疱疹は、白血球の減少の中での免疫能力の後退により、身体の中に眠っていた水疱瘡菌が神経から生長し、皮膚に現れるものだという。骨の神経を刺激し痛みを発する。すぐ点滴を開始し、皮膚科に行って軟膏を処方してもらった。
10時、18時、2時の1日3回点滴投与する。点滴薬はビクロック500mgを100mlの生理食塩水に混ぜた物を使用する。軟膏はパラミシン軟膏である。軟膏自体は発疹が崩れて広がったら付けてくれと言う指示を皮膚科の医者からもらった。
帯状疱疹神経痛 1週間位で皮膚疾患としての帯状疱疹は治ったが、神経痛が残ってしまった。これは、神経が痛んでいるので自然回復を待つほかないと最初言われた。背中のある部分に触れると激しい痛みを感じる。背中なので神経が心臓に影響を与えているのか、心臓が締め付けられ呼吸が出来なくなる位の激痛なのだ。
拷問で電気ショックを使用するが、恐らく、それに似ているに違いない。30秒位は身動きできず痛さが引いていくまで屈みこんで待つほかない。痛みが引いても暫くは立ち上がれないほどなのだ。「トリガー」というらしい。引き金、痛みの根源があるということだ。
帯状疱疹神経痛について調べてみた。「残ってしまった神経痛とは気長に付き合っていくほかにない」としか書かれていない。しかし痛いのは放っておけない。
最初は湿布薬 3月21日になって、鎮痛消炎湿布薬をもらい、1日2,3回張り替えて様子を見る。少しは良くなった感じがするが、あまりかわらない。
時がたっても一向に神経痛は治まる様子はなく、4月4日になって、今までは不快感だけだったが痛みを伴って暴れまわっている。痛みを伴う神経痛が時々胸を刺すような感じで襲い、なかなか寝付かれなかったし、起きてしまった。痛み止めのカロナールと睡眠薬マイスリーを貰うことにして、夜の睡眠を確保することにした。
痛み止めの薬・テグレトールとパキシル 4月27日に帯状疱疹後神経痛に関しては、テグレトールという抗うつ剤の薬を処方して貰った。一日2回、効かなかったら3回飲むという指示を与えられた。しかしこのテグレトールは体中の神経を麻痺させる働きがあるらしく、この薬を飲むと一日中体がだるく日常生活にも差しさわりがある。そこで薬を変えてもらうことにした。
同じく抗うつ剤のパキシルという薬だ。しかしどこまで効いているか良くわからない。神経ブロックをやったらどうかというので試してみた。脊椎に局所麻酔薬を注入するというものだ。若干利いたような気がする。ペイン・クリニックという科 (麻酔科)が病院にあって痛みのケアを専門にやっている。
ペイン・クリニックでの神経ブロック 5月15日に再入院し、早速神経ブロックの第2回目をやった。結局可能な限り毎日やることになった。飲み薬(パキシル)も夜1錠だったのが朝晩1錠になった。ともかく移植前に直してしまいたいという思いがあった。2回目の神経ブロックをやったが夜痛みは取れておらず、痛みのためなかなか寝付けなかった。
結局第1回移殖での前処置の前日6月16日まで土日を除き、ほぼ毎日神経ブロックをやることになった。この治療は、脊椎に穴を空けそこに麻酔薬を注入するのだが、脊椎に穴を開ける時にまれに神経に触れることがある。その時は体中に電流が走ったような痛みが体中を貫く。決して楽な治療ではなかった。この1ケ月の治療で徐々に痛みは和らいでいった。おかげで移植時の辛い副作用の時、神経痛の痛みに悩まされることがなく非常に助かった。
退院後は2,3ケ月定期検診の時に神経ブロックを行なっていたが、痛みはほぼなくなり飲み薬のパシキルは飲み続けていたが、神経ブロックは中止にした。
痛みに関して、主治医が真摯に相談に応じ、色々手を尽くしてくれたのは本当に有難い事だった。痛みついては我慢していないで医者にどんどん言うべきだ。ペイン・クリニックを訪ねてみるのもいいかもしれない。生活の質(QOL)を維持するためにもそれは絶対に必要なことだ。
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