2月4日(木)
関原小学校は「道徳地区公開講座」の日で、保護者への道徳授業の公開講座となっている。1年から6年までそれぞれ、道徳学習指導案を作成し、主題を決め、教材を用意し、主題の趣旨を明らかにし、ねらいを絞り、授業の展開を事前に用意して授業に臨む。
6年の道徳学習指導案は次のように書かれている。 主題名−生命のかがやき・生命の尊重 資料名−NPO血液患者の方々の話 ねらい−かけがいのない命を大切にし、精いっぱい生きようとする心情を育てる。
この授業のため生徒達に「命に関わるアンケート」をとった。その内容がかなりハードで生徒がどんな反応をするのか少し心配になったほどだ。内容は 1、あなたは生まれてきたことをどのように思いますか、またその理由は何ですか。 2、あなたはどんな時に生きている喜びを感じますか。 3、あなたは今までに「死にたい」と思ったことがありますか。 4、「はい」と答えた人に質問します。その理由は何ですか。 5、あなたは「死」について考えたことがありますか。 6、「はい」と答えた人に質問します。具体的にどんなことを考えたのですか。 7、いままで、精いっぱい生きていると思ったことはありますか。理由を詳しく書きましょう。
道徳地区公開講座は10時45分から各教室で一斉に始まった。6年1組は私が担当した。授業は事前アンケートの結果の紹介から始まった。担任の教師が、かいつまんで読み上げていく。特に「死にたい」と思ったことのある生徒の答を読む。「練習が厳しかった時、下の兄弟が両親をとってしまって寂しかった時、友達をうまくいかなかった時、親とケンカしたり、友達に悪口を言われたりした時」とあった。子供たちはちょっとしたことでもかなり傷つき易いのだと改めて感じさせた。
次にいつものように20分ばかり私が話をする。担任の先生はその話の骨子を黒板に書く。話が終って、生徒達に紙を配り、3分位で話の感想を書かせ、それを全員が読み上げた。皆真剣に話を聴いてくれていたようで感想がかなり豊富で、多くの事を受け止めてくれた事がとても嬉しかった。
授業の後、50人位の座席が用意されている「つどいの部屋」で講演会が行われた。講師は長年小学校の教員、校長を勤め、退職後大学で道徳教育に関して講師を務めていた女性だった。さすがに長年人前で話し続けているだけあって話がうまい。
最初の話: 講師は隣の人と自分の子供の自慢できる点を3点話して下さい、と言って話させた。それを受けて話始める。我が子の人格を認める事がどれ程重要なのか。最近子供のしつけだといって虐待を繰り返し殺してしまった親が逮捕された。統計では46,600人が虐待を受けている。3万人が保護されている。彼らは家庭内で自分の居場所を見つけられないでいる、ある母親が「おまえを生まなければ良かった」と平然と子供に語る。
こういった子供たちがどれ程辛い目にあっているのか、わが子の幸せだけでなく、日本中の子供に目を向ける、わが子よりの不幸な子がいる、虐待され、暖かい家庭に飢えていうる子供たちがいる。それを知ることで自分の子供への接し方も変わって来るだろう。意識してわが子のいい所を見つける。子供の人格を磨いていく事が必要だ。
第2の話: 嘘、ごまかしをしない。親は子供に最初に社会のルールを教える。例えば信号は赤で渡ってはいけないと。その後、自分で判断するようになる。ルールは理解している。しかし急いでいたり、知り合いが道路の反対側を歩いていたりして追いかけようと思って赤でも渡ってしまうことがある。世の中には色々な条件が錯綜している。一つの判断を下すときに周りの状況をどう捉えるのかが重要だ。
成長するに従って、価値判断が変わってくる。こうこうだからどう考える、どう行動する、といったイマジュネーションを育てていく必要がある。表現する事によって自分のものになる。「誰か見てるよ」ある意味でこの言葉は道徳の真髄ではないか。これが犯罪を抑止する大きな力になっている。子供が自分の心を引き止める力だ。それは学校や家庭だけで出来るものではない。地域社会の連携が不可欠である。
第3の話: 落蝉を見た事がありますか、どう思いましたか、といった質問から話は始まる。落蝉に対する感想を色々な人に聞いた。命に対する価値観が落蝉についての考え方に現れている。ある人が言った「命は役に立つから価値があるのではない、そこに存在するだけで価値がある」と。
私の母親は10年間寝たきりだった。最後は私の顔も判別できなかった。亡くなって初めて母親の存在の大きさを感じた。まさに存在している事に意味があったのだ。何千回、何万回命は大切だと言われるより、あなたが大切だと言われる方がどれ程大きな意味を持っているだろう。その言葉で自殺を思い止まった少女がいた。両親は子供に「おまえは私にとって大事な子なんだよ」ということを気付かせる事が重要だ。
講演会を終えたところで、6年1組の担任と生徒が給食に呼びに来た。一緒に給食を食べる事になっていた。ペンネのナポリタン、ブロコリーとキャベツと海老、烏賊のサラダ。菓子パン、牛乳というメニューだ。かなり量がある。それをお代わりしている生徒が何人もいた。食べ盛りなんだなと改めて思う。
給食を食べながら授業では出来なかった質問を受けた。今どんなことをやっているんですか。病院の食事はどんなでしたか。一番食べたかったものは何でしたか。好物は何ですか。抗がん剤の副作用はどんなものですか。こういった質問に答えながら給食をとり、生徒たちと和やかな交流を楽しむ事が出来た。 テーマ:思ったこと・感じたこと - ジャンル:日記
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