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「命を削る・高騰する薬」毎日新聞記事

8月31日(火)
201008_convert_20100831220733.jpg 毎日新聞朝刊に3回にわたって、「命を削る・高騰する薬」という内容で記事が掲載された。29日から31日までの3日間だ。取材を受けた時には、新聞の20何面かの生活、科学、医療などのページに掲載されるものと思っていた。それが1面に掲載されたのには驚いた。

3回の記事を読んで、かなり力を入れて医療の現状に正面きって取り組んだ様子が感じられた。広範に取材し様々な観点から、何故新薬が高騰化するのかの原因と、それが国家の医療財政の負担の増加と、同時に患者の医療費負担の増加につながる現状を明らかにしている。

「治療効果は上がったが患者の経済的負担も増した。人の命をつなぐ膨大な薬剤費が患者と社会に大きくのしかかる。日進月歩の開発による新薬の登場がその負担をさらに重くする。」1回目の記事の最後に書かれていた文章が今回の企画の内容を示しているだろう。

記事の中では製薬会社、保険組合、患者それぞれの立場からの主張、問題点が明らかにされている。3者3様の問題を抱える事になる。また研究開発費増加の原因、高額な医薬品が医療財政に与える影響、患者負担軽減のための提言など取材によって様々な立場の人の意見が紹介されている。この記事の主要部分を引用してみる。

製薬会社の言い分

血液難病「発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)」の治療薬「ソリリス」。年間の薬代は約4500万円に達する。製造元のアレクシオンファーマのヘルマン・ストレンガー社長は高額化の理由を「開発費が大きいうえ、製造費や次の新薬開発に向けた費用などが必要。それに対し(国内約440人と)患者が非常に少なく、1人あたりの薬代が高くなる」と説明する。

健康保険組合
薬の高額化は、薬価を審議する中央社会保険医療協議会でも「高額な薬剤を一生使い続けるのは、患者も大変な負担だが、(各健康保険組合など)保険者にとっても相当な負担だ」と深刻に受け止められている。

患者の立場

・ソリリスを使う患者は「薬ができたのはありがたい。でも、病気で働けなくなり、収入が減ったときが心配」と語る。
・オーダーメード医療・アービタックスを使用している患者は言う「(負担が続くと)助かる命も助からないかもしれない」
・「治療費が高いと払えないので、その薬は使わないでください」と患者は言った。高額療養費を使っても簡単には払えない。患者は当然「生きるため、本当なら使いたい」と思っている。
・治療効果は上がったが患者の経済的負担も増した。患者が延命にどこまで金をかけられるのか。

研究開発費の増加
研究開発費が増え、(新薬も生まれにくくなり)承認数が減った。結果として1品目当たりの価格が大幅に上昇した。米国研究製薬工業協会(PhRMA)によると、新薬開発に必要な費用は約1500億円(06年当時)で、30年前の約9倍になった。一方、米食品医薬品局(FDA)が09年に承認した新薬はわずか19個。13年前の7割近くも減ったという。

医療財政への負担

国内の医療費総額は7年連続で伸び続け、09年度には初めて35兆円を突破した。高い薬が出ているが、医療財政が破綻しないか心配だ。新薬の高額化などで医療財政が厳しくなれば、将来、患者に提供する治療が制限される恐れもある。

日本は「治療にいくらかかるか」という負担の側面しか議論してこなかったが、治療で社会復帰できれば、薬剤費の何倍もの価値を生み出せるかもしれない。治療の経済効果などについても情報を発信し、議論をすることが必要だ。

低所得者層への負担軽減を

景気悪化で低所得層が増えている。高額療養費制度における低所得層の負担上限額を引き下げる一方、高所得層の負担をもう少し増やすなど、弱い立場の患者の負担軽減を検討すべき時期だ。
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テーマ : 思ったこと・感じたこと
ジャンル : 日記

死刑を考える集い「死刑廃止100年 ためしてガッテン! 北欧の体験」

8月29日(日)
昨日、「死刑廃止国際条約の批准を求めるFORUM90」主催で集会が行われた。

死刑を考える集い「死刑廃止100年 ためしてガッテン! 北欧の体験」
死刑のない国を知っていますか? それはどんな社会でしょうか?
最後の死刑執行から100年以上を経た北欧諸国の姿を、森達也さんと共に学びます。

フーラム90は結成20周年ということで、12月19日日比谷公会堂での大集会を予定している。そのため毎月様々な視点で死刑について考える企画を行っている。
8月8日 (日)死刑執行抗議集会(千葉景子法相による死刑執行抗議集会)
7月24日(土)死刑と冤罪、そして再審を考える
6月12日(土)ドキュメンタリー映画『赦し・その遥かなる道』 日本語版完成記念試写会
4月29日(木)政権交代と死刑廃止(死刑廃止の戦略を考える)

ノルウェーの行刑制度
今回は、森達也さんがノルウェー・オスロ大学の法学部教授へのインタビューを中心としながら、ノルウェーの行刑制度全般について紹介するNHKのBSで放送された番組のビデオ上映と、その後の森達也さんの講演という企画だった。

ノルウェーの行刑制度については、1992年4月にオスロ大学犯罪学研究所の研究員リル・シェルディンが来日した際色々聞いていた。彼女はアボリショニスト(刑罰廃止論者)トーマス・マシーセンの教え子で、彼の書いた『裁かれる監獄(Prison on Trial)』の英訳本を贈呈された。

ビデオで上映されたノルウェーの行刑制度のあり方は、ある意味でマシーセンの主張した刑罰廃止論の現実形態のような気がする。ノルウェーも一時期厳罰化の流れがあったというが、様々な行刑改革を行いながら、裁判への市民参加や犯罪被害者、加害者と関わりを通して今のような形態に進化していった。

刑罰廃止といった主張はそれ自体をとれば、夢想に近い主張に見える。しかしマシーセンの主張した考え方はまさにノルウェーの行刑制度の中で行われている事である。非拘禁化、非刑罰化、加害者と被害者との間での民事的解決、こういったマシーセンの主張が実施されている現状がノルウエーの行刑制度の随所に見られる。

以前日弁連が、ヨーロッパの監獄を視察したビデオを見たことがあるが、房内でテレビが見られたり、パソコンが出来たり、日中は房名から出られ共有室で過ごせたり、といった刑務所内の処遇面での拘禁性の緩和措置に関し日本の監獄との差を感じた。

しかし問題は刑務所内処遇の改善ではない。いかに囚人の再犯を防ぎ社会復帰を可能にするかなのである。重罪犯が収容されているのは、オスロ沿岸の島である。囚人は島の中では自由に動きまわれる。ある囚人の取材では、彼は島の1軒屋に3人で住んでいる。炊事、洗濯、掃除は当番制で、分担して行っている。彼は1日3往復の島への船の運転をしている。

申請すればいつでも外泊できる。家族との関係を維持するという事が出獄後の生活にとって極めて重要だ。この島では社会復帰に必要な様々な教育を受ける事が出来る。

ノルウェーでは市ごとに「解決調停制度」というものがあり、市民から選ばれた調停委員が犯罪被害者、加害者を呼び話し合いをして、問題解決に当たる。その話し合いで9割がた解決する。ここで解決できれば、訴追されることはない。まさに犯罪を刑事的にではなく民事的に解決するという手法だ。

ノルウェーの行刑制度についてのビデオの内容は、死刑制度については何も語られなかった。しかし、死刑制度を廃止しているからこそ、斬新な行刑改革が可能になったということを強く感じさせるものであった。応報刑としての死刑制度の存続を前提には行刑改革は望めない。

ビデオ上映の後の森達也さんの講演。
caad902204d06d08.jpgある学者が言っている。犯罪者になる原因は3つある。幼児期の愛情不足、生育期の教育の欠如、現在の貧困である。犯罪をなくすにはこの3つの問題を解決することだ。つまり社会保障制度と教育の問題だ。不足分を補うそれが犯罪抑止になる。それ以外に、ドラックなどの問題は、病気として治療の対象として扱っていく。

刑罰という考え方は、罰という言葉の中に苦しみを与えるという事が含まれている。しかし犯罪者はすでに多くの苦しみを抱えて生きてきた、これ以上苦しめてどうするのか。彼の不足分を補ってやることが必要なのだ。ノルウェーでは出所の条件がある。住所がある、仕事があるということだ。この2つを自力確保できない人に関しては、国がアパートを用意し、仕事も与える。

日本の犯罪発生率は年々下がっている。2007年の統計では殺人は1199件だった。これは戦後最少である。この数字は人口比でみるとノルウェーとほぼ同じである。しかし何故日本は厳罰化の傾向が進み、死刑判決が増加しているのか。これはマスメディアが作り上げた体感治安の悪化が原因だ。犯罪が起こると市民に犯罪への恐怖をかきたてる扇情的報道を何度も繰り返す。

国境なき記者団が、各国のマスメディアを評価している。報道内容がいかに政府や警察から自由か、人権に配慮しているかなどが基準となる。日本は50位という有様だ。最近30位になったが理由は分からない。ともかくメデイアに関しては人権後進国であるのには変わらない。

懲役は教育刑であり、死刑は応報刑である。この2つは矛盾している。死刑は戦争と同じように、他者への不安、恐怖をかきたてることで成立する。北朝鮮の脅威を煽りたて、戦争抑止のため軍隊が必要という。犯罪抑止のため死刑制度が必要だというのと同じ論理だ。死刑制度を廃止した国で、犯罪が増えるということは統計的に全くない。北朝鮮の脅威などは何ら根拠がない。全ては一部政治家とマスメディアの扇動に踊らされているだけである。

86%の人が死刑に賛成だというアンケート回答がある。死刑廃止になった国では、廃止時死刑賛成が6割位である。死刑制度廃止後の賛成の数は4割位に減る。日本の場合かなり多い。オウム事件のあった95年以降、人間が潜在的に持つ他者への不安や恐怖が、激しく刺激されてきたことが大きいと思う。その帰結として、善なる自分たちと悪なる彼らとの違いを過剰に強調したくなった。つまり善と悪双方の純度が上昇した。だからこそ厳罰化が高まり、死刑を求める声が強くなった。

死刑支持の世論はマスメディアの犯罪報道の影響もあるだろうが、死刑の実態について殆どの人が知らなすぎる。27日に刑場が公開された。こういった形で、死刑の情報が公開され死刑制度の現状を知れば死刑制度に対する見方も変わって来るだろう。

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眼科の治療・アバスチンの眼球注射

8月27日(金)
14時30分から、緑内障の治療を行う。眼球への注射を行うと言われている。受付をするとすぐに呼ばれて虹彩を開くため点眼する。それで20分ばかり待つ。虹彩が開いた頃を見計らって、処置室に呼ばれた。歯医者の椅子のような所に寝かされ、点眼麻酔をされる。

左目の部分だけをくりぬいた白い布を顔にかぶせられる。目の周りを消毒し、さらに点眼麻酔をし、注射針を刺す。最初は角膜への注射なのでそれ程痛くはない。次に硝子体まで薬液を注射する。これは針が刺さる時に痛みを感じる。しかし注射は1分位なものなので大したことはない。針が目玉に刺さる所が見えると思ったが見えなかったのでそれ程恐ろしさは感じなかった。

大体治療への心配とか不安とかは自分で作り上げたイメージを膨らまして、想像の中で誇大妄想的に拡大していってしまうものなのだ。やってしまえばどうということはない。眼球に針を刺すということのイメージはかなり恐怖感を引き起こすものであった。しかし実際にはたいしたことはなかった。

使用した注射薬はアバスチン(注)という薬で、最初は直腸がんの治療薬だったが、眼科の治療にも効果を発揮する事がわかり使われ出した。この薬を今回使用した。点眼薬としては、キセラタンは従来通り点眼し、それ以外にプロナック点眼駅を処方された。この薬は目の手術の後などの炎症の抑制に用いられる。

注射を行った後の医者との話では、今日の処置がどの程度効果を発揮するか次回の診断の時に分かるだろう。レーザー光線を使った光凝固といった方法もあると言われた。眼圧の上昇について、房水排出部が詰まって流れが悪くなっているのかと聞いた所、所見では排出部のつまりはない。ただ網膜の腫れが排出部を圧迫している可能性はある。次回9月13日の診療日に効果がわかるだろう。

最初に入院したのが目の病気だった。22歳の時に網膜剥離で3週間程入院した。入院してからずっと、手術が終ってからもしばらくの間、ベッドから一切離れる事が出来ない。天井を向いたまま寝ている外ない。はがれた網膜が眼底に落ちてくるのを待って手術をする。50歳位の時に白内障になった。そして今は緑内障だ。目の主要な疾病を経験したわけだ。目のトラブルは尽きる事がない。

アバスチン:アバスチンは新生血管を抑制する効果や浮腫を軽減する効果があります。この働きを利用し、眼科領域ではVEGF(血管内皮増殖因子)が関与する疾患に投与されています。新生血管とは、酸素が不足することでそれを補うために弱い血管が発生し、それが破綻することで出血が起こったり、また眼科的には新生血管緑内障を引き起こします。
新生血管緑内障とは、眼底の虚血性病巣から血管増殖因子が放出され、これが前房まで到達し偶角にも増殖を誘発し房水の流れを妨げることで、眼圧が上昇します。アバスチンはこうした疾患に対し、有効性と速効性を認められている薬剤といえます。(久里浜眼科ホームページより)

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東京湾納涼船

8月26日(木)
友人から東京湾の納涼船に、何人かで行こうと思っているが行かないかと誘われた。昔職場で、そんな話が出た事があるが行ったことはない。ものは試し、行ってみる事にした。浜松町の新橋寄り改札口で18時30分に待ち合わせた。船は19時15分に出港する。

改札口周辺には待ち合わせをしている何人もの浴衣姿の若い女性の姿が見受けられた。友人に聞くと、通常乗船料は飲み放題込みで大人2500円だが、浴衣着用の場合は料金が1000円割引になる。だから浴衣を持っている人は着てくることになる。

浜松町から浴衣姿の若者たちと一緒にぞろぞろと竹芝桟橋に向う。かなりの人出だ。東海汽船の旅客ターミナルの前の広場には、既に300~400人が列を作っている。チケット売り場で予約番号を言って、乗船券を買い求める。船は満席で当日売りはないということだ。

納涼船003_convert_20100827002219 旅客ターミナル正面のオブジェ

納涼船は東海汽船のさるびあ丸という船だった。この船は昨年春神津島にいった時乗ったかめりあ丸と共に大島、式根島、神津島などの伊豆諸島への路線を運行している。納涼船が21時に帰港すると、短い時間で船内清掃、寝具の用意をして、今度は23時発の離島航路として出港していく。納涼船は7/1~9/23まで営業している。夏は書き入れ時だ。

最近は1等や特1等の部屋も個室プランとして使用している。13,000円のオードブルを注文すると利用できる。昨年乗船した時は、大島への団体の釣り客がいたので100名位の乗客はいたが、通常はもっと少ないだろう。夏に稼いで置くしかない。

東京湾納涼船は19時15分に竹芝桟橋を出航し、21時に戻ってくる。涼しい海風を受けて、生ビール飲み放題という納涼船は、ビルの屋上のビアガーデンよりもよっぽど気が利いている。ただかなりの混雑と騒音に悩まされることになる。騒ぐのが大好きな若者達がかなりの数を占める納涼船ではやむを得ないだろう。

納涼船043_convert_20100827002735 レインボーブリッジ

Bデッキの中央部分に、ビールのつまみといった様々な食物が売られている。縁日の屋台といった感じだ。焼きそば、鳥のからあげ、焼き鳥、フランクフルト、フライドポテトなどが並べられている。またクレープ、かき氷、ソフトクリームなどアルコールと無縁な人用の甘味も揃っている。

Bデッキは中央に舞台があり、そこで何グループかのミュージシャンが演奏している。後半は「ゆかたダンサーズ」が舞台で踊り、ディスコ場のような雰囲気になる。Bデッキの船尾の部分には丸テーブルと椅子が置かれていて飲食が出来る。Cデッキの船尾にも長椅子が並べられている。デッキの至る所にテーブルがあって、立っての飲食の場所には事欠かない。

納涼船034_convert_20100827110249 最上階Aデッキ

納涼船040_convert_20100827003559 Bデッキ中央の舞台とその周辺

乗客が乗船し終わる。どこのデッキも満員だ。旅客定員は816名というがそれ以上乗っているのではないか。満員の乗客を乗せて船は出航する。レインボーブリッジを潜り、羽田空港沖を通り、東京湾を1周して戻ってくる。2時間弱のクルージングだ。

夜でも気温が30度近くの都会の中で、さすがに海の上は涼しい。東京湾の夜景を眺めながら、適当につまみを買ってきて、飲み放題のビールを飲み続けるのが納涼船での楽しみである。

東京湾の夜景
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石田衣良 『美丘』

8月25日(水)
石田衣良の作品は、『池袋ウエストゲートパーク』が面白く、その他の本も何冊か読んだ。今回目にしたのは、『美丘』という本だ。作品の紹介には次のように書かれていた。「強烈な個性と奔放な行動力を持ち、嵐のようなエネルギーをもった美丘。残された命を見つめ、限りある生を全力で走り抜けた美丘。魂を燃やしつくす恋人たちを描いた作品」

41e_convert_20100825222541.jpg主人公太一と美丘
ありがちなパターンだなと思いながらも、短い小説だったので読み始めた。主人公太一が、恋人美丘と過ごした13ケ月の回想録である。彼女が生きていたという事実を証言するために最期まで彼女を見守り続ける太一の記録である。

美丘は子供の時の交通事故の手術で移植された硬膜から、クロイツフェルト=ヤコブ病に感染した。この病気には治療法はない。10年、20年の潜伏期間後いつ発症するか分からない。一度発症したら、歩行障害から始まり、3ケ月位で、行動異常、性格変化、視覚異常、認知症が急速に進行し、やがては自発運動はほとんどなくなり、全身衰弱、呼吸麻痺、肺炎などで死亡する。

死期を悟り、それまでの限られた命を精一杯燃焼させるというパターンの映画や小説が蔓延している中で、この小説ではどう展開されているのだろうか。

太一と美丘の会話

どうしてきみはそんなに強いんだ。
みんなより少しだけ、わたしのほうが目を覚ましているから。
どういう意味。
永遠に生きられるなんてかん違いして、今日を無駄にしないって意味。
そんなことできるはずがない。ブッダの昔から、みんなそんなことをいってきた。今日を生涯最後の1日だと思って生きろなんてさ。でも、実際それができた人間なんて僕の知る限りゼロだ。
そういう哲学みたいなこといわないでくれる。わたしはただ生きるために生きている

美丘について太一の言葉

きみは流れ星が燃え尽きるように、命を削って輝いたのだ。きみはなにをしているときでも、必死で自分自身でいようとしただけなのだ。

きみは真実を知っていた。命は火ついた導火線で、ためらっている余裕など本来誰にもないはずなのだ

美丘の言葉
わたしひとりだけが気づいているんだ。生きていることは奇跡で、永遠に続くものじゃない。ここにいる皆だって、命には終りがあるってことは頭では分っている。でも、心と身体の底から、いのちの素晴らしさや限界を感じているのはわたしだけ。

(太一に対して)もっと自由になった方がいいんだよ。いつもまわりに無理やりあわせているでしょう。そういうのやめにしちゃえば、もっと自由になって、もっと自分らしくなって、わたしの分までいきいきと生きちゃいなよ。

 石田衣良の恋愛小説は始めて読んだが、あまりにもオーソドックスで面白みがない。またいつ死を迎えるか分からない美丘の行動パターンがあまりにも理想像に当てはめすぎているような気がする。死を目前にした人間はこうでなければいけないといった作者の生死感があまりにも露骨に出すぎていてついていけない。

余命を宣告されたがん患者、難病の患者は、今生きていることを絶えず自覚せざるを得ない。しかしだからといって「残された時間を精一杯生きるべきだ」と他人から言われたくはない。残された時間をどう生きるかは各人の勝手である。

大体死を宣告された人が主人公の物語は「残された命を見つめ、限りある生を全力で生き抜いた」といったワンパターンなのだ。あらゆる人がいる。生き方も様々であり、どのように死を迎えるかは千差万別だ。それなのに、この手の物語や映画は死に対する心構えについて1つの価値観を押し付けようとしている。それがどうも気に入らない。

石田衣良の小説も、言っていることはもっともな事も多いがこういったパターンから逃れることは出来なかった様だ。生と死の問題は、全ての人にとってまさに最も個別的な問題であり、死に対してどういう態度をとるかは決してパターン化されるものではない。

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眼科の検診・緑内障なのか?

8月24日(火)
 8月4日に眼科の検診を受けて、眼圧を下げる点眼薬キサラタンを処方してもらい、毎日点眼していたが一向に目の状態は改善してこなかった。左目は薄い幕がかかったように見えにくい状態が依然として続いている。左目の瞳孔が開いているのは眼圧が高いからだろう。その状態も変わっていない。

医者は、原因を究明すべく更なる精密検査をする。視力検査、眼圧測定、眼底検査を行った後、細隙燈顕微鏡検査を行い、眼底写真を撮った。また網膜の断層写真を撮った。

これらの検査結果を見ながら医者は「今日の精密検査で眼底出血と網膜の腫れが見られた。緑内障の症状を生み出す眼圧上昇の原因として、幾つかの原因があるだろうがこれが主要原因だと考えられる」と言って眼底写真を見せる。

眼底の所々に小さなしみのようなものが見える。これが眼底出血だという。また網膜の断層写真を見ると右目の方は中央がへこんでいるが、悪い方の左目は中央が盛り上がっている。つまり腫れているということだ。

眼底出血の原因が原発性マクログロブリン血症であるかどうかは分からない。WMの症状として「血液の粘稠度が高いため網膜静脈のソーセージ様怒張が見られる。IgMが上昇すると眼底出血や乳頭浮腫によって、視力障害を引き起こすこともある」と書いてある。今はIgM値もそれ程高いわけでもないので関係はないのではないかと思うが、IgM値が10,000近くあった時に痛めた所が今になって出てきたということも考えられる。

医者は続けて言う「あなたの緑内障は複合的原因で眼圧があがっていると考えられる。眼底出血を止め網膜の腫れが収まれば眼圧は下がってくるだろう、それには眼球に注射をする方法がある。今点眼している眼圧降下の点眼薬の効果がないので別の種類を増やすことも考えられるが、眼圧上昇の主原因が眼底出血と網膜の腫れにあるならば、その処置を終わってから点眼薬の処方について考える」と。全身に薬を投与しても副作用ばかり強く、目に対する効果は少ない。目そのものに薬を注入するのが効果的であるということだ。

 眼球に注射針を刺すというのは、あまり気分のいい治療法ではないが、そんなことは言ってられない。早い方がいいということで医者の提示した日にちで一番早い27日の14時から、眼球注射の処置を行う事にした。それでよくなってくれればいいが。それまでは、処方されている眼圧降下薬キサラタンを続けて点眼する。

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毎日新聞・写真撮影

8月23日(月)
 毎日新聞で高額療養費制度の問題点を取り上げたいということで、来月から高額なレナリドミドを使用する事になっている私の所に取材の依頼が来た。そこで、8月11日に記者と池袋で会い、今までの治療経過や、毎月支払った医療費の明細などの資料を渡し、取材に応じた。

今日は取材の補足と、写真撮影を自宅で行いたいということで、最寄りの駅で待ち合わせ自宅に招待する事になった。写真撮影というから、記者がデジカメで2、3枚取る位だろうと思っていたが、記者にカメラマンが同行した。取材は殆どなく、もっぱら写真撮影を行った。

プロのカメラマンというのは、我々が写真を撮るのと全く違った観点で被写体を観察するものだと思った。本来ただ対象の人物を撮ればいいと思うが、記事の内容や取材を受けた人のイメージを強調するような場面設定を考える。

パソコンの前に座っている写真を撮ったが、その場合、机の上に領収書を並べたり、使用している薬を並べたり、周りの状況を演出する。照明にも様々な工夫をこらす。部屋は天井の電気、机の蛍光灯、窓からの光で明るくなっているが、色々な明るさで写真を撮っていく。通常の明るさで何枚か撮った後、カーテンを閉め照明を全て消し部屋を暗くして、パソコン画面の明かりだけで撮る。机の蛍光灯だけ点けて撮る。など光の強度を調節しながら、人物のイメージを作り上げていく。また手の位置など指示される。

色々な組み合わせで、何種類かのパターンで写真を撮ってそこから一枚を選ぶというわけだ。新聞に白黒のごく小さい写真を載せるのだろうが、そのためにこれだけの写真を撮るというのが、新聞社の所属のプロのカメラマンの仕事なのかと驚き、感心してしまう。

 写真撮影を終えて、30分ばかり高額療養費の問題を中心に雑談した。赤血球の疾患に使用する薬で年間4千万円もかかる薬があるということだ。保険適用されているし、3ヶ月後には高額療養費制度で戻ってくるとしても、それでも毎月100万円支払わなくてならない。入院の場合は、健康保険組合の証明を持っていけば、幾らかかろうが8万円払えばいいが、通院にもこういった制度ができて欲しいものだ。

毎日新聞では高額療養費制度に関して、取材内容を含めて3回に渡って朝刊に連載する。8月29、30、31日の3日間を予定しているということだ。取材内容を記者がどのように料理するのか楽しみだ。

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ももの木交流会

8月21日(土)
白血病-移植-膠原病
ももの木交流会で、白血病で7年前移植したA君から署名要請があった。彼は移植後、皮膚のGVHDに悩まされた。顔が赤面してしまう。しかし顔の赤面があまりにも続くので精密検査をした所、膠原病の1つである皮膚筋炎と診断された。それ以降プレドニンを毎日服用している。

白血病の治療が終わり寛解状態が続きもう再発はないだろうと思っていた時に、膠原病に罹患してしまった、それはどんなにショックだったろうと思う。多発性骨髄腫の患者で、何年も再発がなかったが、今度はパーキンソン病に罹ってしまった。多発性骨髄腫から形質細胞白血病になってしまった患者もいる。骨髄異形成症候群から急性骨髄性白血病になってしまった人の話も聞いた事がある。次々に襲い掛かる厄災にどのような精神力で耐えていったらいいのか考えさせられる。

ステロイド剤の長期大量服用は、様々な副作用をもたらす。副作用には糖尿病、高脂血症、骨粗しょう症、免疫抑制(感染症の恐れ)などあり、それを予防するための薬を飲まなければならない。しかしこのステロイドを服用する事によってしか病気の進行を抑える事が出来ない。

自己免疫反応の異常によって起こる膠原病は、移植患者に発生する事が多いという。原因は正確にはわからないが、同種移植後のGVHDなどに見られる免疫機能の過剰反応が影響しているのかもしれない。A君はペンタスという患者会に加わりこの病気の原因究明と、免疫グロブリン製剤の保険適用の署名活動を行っている。交流会で皆に署名要請をした。署名内容は以下の通りであるが、オンライン署名もあるので協力してもらいたいということだ。オンライン署名はペンタスの会のホームページから出来る。http://park6.wakwak.com/~pentas/

ペンタスの会(皮膚筋炎・多発性筋炎とそれに類する疾患患者の会)
この会は、皮膚筋炎・多発性筋炎の患者の会である。この病気は膠原病の一種である。膠原病は自己免疫のメカニズムによって生じると考えられている。本来、外から入ってくる異物から身を守ってくれるために働くはずの免疫の働きに異常が起こり、自分の体を攻撃してしまうのが自己免疫反応だ。

皮膚筋炎・多発性筋炎は筋肉に何らかの炎症がおきることから、骨格筋、肺、心筋、皮膚などに異常が出て、重症例では、全く動けなくなる事もある病気である。炎症が、後咽頭筋や構語筋に及ぶと全く食べ物を飲み込めなくなったり、しゃべる事も出来ない等の症例がある他、肺に炎症を認めたり(間質性肺炎)・心機能の低下をきたすこともあるという病気だという。

【免疫ブログリンの保険適用】を要望する署名の趣旨

私たちの病気の主たる治療法は、ステロイドホルモンの大量投与及び免疫抑制剤使用なのですが、これらで完全に直る場合も少なく、患者は副作用に苦しみつつ、日々生活しております。そのような中「免疫グロブリン大量静注療法」が有効な場合があります。しかしながら、日本では、私たちの病気に対しての保険適用はありません。「免疫グロブリン大量静注療法」は、大変高価であり、一刻も早く私たちの病気対象に保険適用が認可されることが切望されています。

【多発性筋炎・皮膚筋炎に関する厚労省調査研究事業】の設置を嘆願する署名の趣旨
医療の進歩にともないこの病気での、死亡率は減少しつつありますが、反面、長期療養を必要としている患者が増加しているのが現状です。患者が増加しているにもかかわらず、私たちの病気の研究は、細々とされているというのが現状です。それ故、病因すら、いまだ解明されておりません。
 
又、診療科が「膠原病科」「神経内科」「皮膚科」の三科をまたぐため、ますます、研究者が分散し、これも研究の進まない大きな一因と考えます。このためもあり、いまだ有効な治療法は確立されておりません。現在の治療薬とされるステロイドの副作用に悩まされて生活していくのではなく、ちゃんとした治療薬(抗筋炎薬)ができ、私たちの病気が「治る病気」になりますよう、厚労省に要望署名をしています。

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「いのちの授業」座談会

8月21日(土)
「ももの木交流会」の前に「いのちの授業」の座談会が行われた。座談会は、通常、14時から行われる交流会と同じ日の午前中に行われる。2ヶ月1度のペースだ。内容は参加者・いのちの授業のスタッフの現状報告、体調・病状報告と、前回の座談会から2ケ月の間に行われた授業の反省と、感想、今後の授業のスケジュール調整などが話される。

ある小学校から生徒の感想文が送られてきた。感想文を読むのが授業後の最大の楽しみだ。感想文は授業をやって生徒がどんな反応をするかを知る唯一の手段なのだ。かなりの分量だったが感想文を回し読みした。

80人分位ある。皆思い思いに感想を書いている。読んでいくうちに何か違和感を覚えた。どの文章も何故か同じ内容に思えてきた。「死が人生のゴールといった言葉は、今まで考えていた暗く、悲しく、辛いものといった死のイメージを変えてくれた。そのゴールに向って精一杯生きていこうと思う」どの感想もおおむねこういった内容が含まれていた。

死や生に関しての子供達の考え方は多種多様で、授業の感想のどれ1つとして同じ物はないはずだ。確かに話の中で印象的な所に関しては共通な所もあるが、その受け止め方は一様ではない。学校の方針として道徳教育に熱心で、生徒への指導、教育が徹底している所の生徒は、授業に対しての集中力もあり、静かに熱心に話を聞いてくれる。授業中の質問も積極的だし感想を求めれば答えてくれる。

おそらく授業後に「いのちの授業」で話されたことへの反省会も行われたのだろう。その結果先生の言った授業内容の骨子を生徒がコピーする結果になってしまったのではないか。それが「同じような感想文」となってしまったようだ。結局生徒指導ということの中に、学校や教師の持つ1つの価値観の枠内に生徒の考え方を収めようとする傾向がどうしても出てこざるを得ない。道徳教育に熱心な学校であればあるほどそういった傾向が強まってくるのは否めない。

確かに書かれた感想文は1つずつ見れば優等生的に素晴らしいが、何人かの者を次々と読んでいくとその均一さに生徒の個性を見出す事が出来なくなってしまう。生徒指導ということの難しさを感じさせる感想文であった。

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定期検診の日

8月18日(水)
いつでも同じだが、IgMの数値を見て今後の治療方針を決める。今回はどちらにしても9月からレブラミド(レナリドミド)を使用した療法を行う事になる。そういった意味で、最後のメルファランとプレドニンの処方を行う。

レブラミドを使用する患者への説明を医者がする事になっている。サリドマイドの時は10分ばかり診療の時に説明を受けただけだったが、今回は診療日以外に時間がとれないかと言われた。まだ使用する患者が少ないのだろう。レブメイト(レブラミド適性管理基準)についてじっくりと説明しようという訳だ。医者も色々仕事が増えて大変だ。

検査結果 
 IgM   3383(8/18)←3562(8/4)←3445(7/28)←2914(7/7)  
 白血球  2600←2500←2500←1900
 好中球  1090←1200←1800←1100
 血小板  7.1←8.6←8.3←12.4
 赤血球  318←325←292←320
 ヘモグロビン 11←11.1←9.8←10.7
 網赤血球   10←8←12←11
 CRP   0.6←0.83←0.71←0.55
 
 IgG    470(8/18)←466(8/4)←410(7/28)←352((6/23)


IgMが200近く減少した。7月24日から4日間服用したメルファランとプレドニンがやっと効果を見せ始めたようだ。ただ問題は好中球が1000に近付いている。メルファランを継続するか否かのぎりぎりの線だ。他に方法がある訳ではない。ともかくもう一度やってみようということで、明日から4日間メルファラントとプレドニンを服用する事になった。

レブメイト(レブラミド適性管理手順)の説明日を今日決めるはずだったが、製薬会社セルジーンから説明用DVDが病院にまだ届いていないということで日にちは設定出来なかった。日本骨髄腫患者の会発行の「がんばりまっしょい」11号が、レブメイトの内容を分かり易く解説した特集号になっている。担当医にパンフレット見せてこの内容でいいんですよねと聞いた所、説明する内容的はそこに書いてあるのと変わりはないが、レブラミドを使用する医者は患者に説明する事が義務づけられているということだった。

医者の説明の最後に「レブメイトへの登録及び遵守事項に関する同意説明文書」によって説明を受けた内容を確認する。その後レブメイトセンターへ「レブメイト患者登録申請書」送る。そしてレブメイトカード(登録証)を受け取る。このような手順を踏んで、やっとレブメイトの処方を受けられるという訳だ。

サリドマイドで経験しているのでそれ程面倒だとは思わないが、サリドマイドの時に手続きの簡素化のための提言や、アンケートを募ったが、そこで出された意見が殆ど生かされていないような気がする。処方も2週間分しか出来ない。2週間1度通院しなければならない。サリドマイドに関しては12週間分の処方が可能になったので、患者も病院もかなり楽になった。レブラミドの処方も早く同じようになるようになって欲しいものだ。

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医者の選択が生死を分ける

8月16日(月)
居酒屋での話の続き。7月末食道がんで亡くなったN君の親しい友人が彼の病状経過について話してくれた。N君は、昨年の秋口から体調が思わしなかった。夏ばてかなとも思ったが、食欲がなく、どうも胃の辺りがすっきりしない。

職場の傍の〇〇胃腸病院という所に行って診察を受けた。職場に近く通うのに便利だということで選んだということだ。病院では軽い胃炎ということで薬を処方された。この診断が食道がん発見を遅らせる決定的なものとなった。体調不良や、飲み込みに問題があるということも、胃が悪いからということで納得してしまった。症状が改善しないのを不思議に思いながらもひたすら胃薬を飲み続け、がんを半年間も放置する事になってしまった。

12月末彼が飲み込みに問題があると言っていたので、1月には精密検査を受け食道がんが発見されたと思っていたが、食道がんの発見はそれから3ケ月後だったのだ。何故入院が3月になってしまったのか疑問だったが、胃腸病院で間違った治療をを受け続けていたということだった。どんな固形がんの場合でも、発見が早ければ治癒する可能性はかなり高い。食道がんはⅠ期の場合、5年生存率が78%となっている。

胃腸病院の薬では一向に症状が改善しない。3月になってやはりどうもおかしいということで、総合病院に行って精密検査を受けた所、食道がんと診断された。しかしもはやがん細胞は全身に転移しており、手術で食道のポリーフを取り除くだけでは収まらなくなっていた。

結局放射線治療と抗がん剤治療を行う事になった。3月から5月まで入院し、その後退院して通院で治療を受けていたが、病態が悪化し6月に再入院したが、もはや手の施しようもなかった。

昨年の秋口に職場の近くの胃腸病院に行かず、彼が持病の心臓疾患で定期的に診察を受けている総合病院で、検査をしてもらえばその時に食道がんは発見出来たろう。半年間の発見の遅れが彼の生死を分ける事になった。半年前に発見できていれば手遅れにならず、食道がんは転移せず、手術で取り除く事が出来、治癒の可能性も十分あったはずだ。悔やまれてならないという話だった。

胃腸病院はどのような検査をしたのだろうか。患者本人が胃の不調を訴えてきているので最初から胃に問題があるという先入観で診察したのかもしれない。内視鏡検査などもやって、胃炎があったのは確かなのだろう。しかし検査の過程で食道の異常に気がつかなかったのだろうか、と思ってしまう。

今の医者は専門が細分化され、1つの分野ではかなり詳しいが他の分野の知識に乏しい場合が多い。しかし半年間患者の病状が一向によくならないということで、他の病気の可能性を考えなかったのだろうか。医者の責任は重い。

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田舎の病院での出来事

8月15日(日)
昨夜、何人かの知り合いと飲みに行った。最近の居酒屋では、ハイボールやホッピーなど昔懐かしい飲み物が置いてある。ハイボールなどは若い人にも人気商品だそうだ。行った居酒屋ではウイスキーをビールで割ったものがあった。「バクハイ」という。それに火薬というのがあって頼むことが出来る。それはウイスキーが小さいグラスにストレートで入っている。出された「バクハイ」のアルコールが薄いと思ったらそれを入れればいいということだ。

一時低迷だったウイスキーもこんな所で復活するとは誰も思わなかっただろう。それはサントリー角瓶でのハイボールのコマーシャルの影響なのだろうか。

たまたま合流した知り合いの産婦人科医の話が、まさかと思う事が病院内で行われているという事を知ることになった。彼女の母親が九州の片田舎の出身だった。彼女の生まれもその地だった。母親はいつも言っていた、老後は生まれ故郷で生活したいと。たまたま故郷の市立病院で産婦人科医が一人退職し募集しているという事を知ったので、東京での仕事を辞め、母親と一緒に故郷に帰り、その市立病院に勤め始めた。

何故かその病院で彼女に対するいじめが始まった。それは小学校や中学校で行われているレベルのものから始まった。彼女はその原因をよそ者に対する排外意識、東京から来た医者への嫉妬などだろうと言うがよくは分からない。市立病院だが、町村合併で市立になっただけで、町の診療所レベルの所だ。分娩室は豚小屋ようにひどい状態だった。しばらくして建替えたが今度は全く窓のない部屋になった。

病院では分娩に医者が立ち会う事になっている。しかし全て終った後に呼びに来るとか、赤ん坊の状態がかなり悪くなって手遅れになりかけている時に始めてそれを言われるなど、彼女を陥れる行為や、無視するような行動が繰り返された。普通の職場だったらまだしも人の命を預かる病院でそんな事が行われる事が信じられなかった。それでなくても数が少ない産婦人科医師に対してそんな扱いをする病院は何を考えているのだろうか。

彼女は不当な嫌がらせに耐え何年か勤めたが、最終的には彼女が処方したとされている点滴薬が違っていて、もしそれに気がつかず、患者に万が一のことがあれば医師免許を剥奪されかねない。幾らなんでもここでは働けないということでその病院を退職した。そして母親と一緒にまた東京に戻ってきている。

その後病院を相手に損害賠償の訴訟を起こしているが、病院側は彼女への嫌がらせや医療妨害の証拠となるカルテや医療日誌などの提出を拒んでいる。これは片田舎の病院の出来事だが、このようなことが病院という人の生死を左右する場所で行われていたということは驚くべきことだ。

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映画 『告白』

8月12日(金)
315x210_convert_20100813114140.jpg『告白』は湊かなえの同名小説を、『嫌われ松子の一生』の中島哲也監督が映画化したものである。映画を見る前に小説を読んだ。小説では、何人かの主要人物の独白を中心とした表現様式によって事件の真相を、徐々に外堀を埋めていくように明らかにしていく手法の斬新さに感心した。

独白を通しながら、1つの殺人事件をそれぞれの価値観で回想していく中で、各人が全く違った見方をしている事が明らかになっていく。それは個人的価値観の相違であり、社会的「悪」も、個人的な「正義」にいつでも転化できることの意味を鋭く問うことになる。もともと各人の価値基準と社会的善悪の判断は別の所に存在する。自分が価値を置いているものを蹂躙されたことへの怒りと憎しみの表現は「復讐」という社会的モラルを踏み越えた形で表現され、それは善悪の彼岸にあるのだ。

小説を読んでから映画を見るか、映画を見てから原作を読むか、判断は別れる。小説を読んでから、その小説が面白かった場合それがどのように映像化されるかに興味ある。小説を凌駕するような映画にはめったに出会うことはない。しかしこの『告白』は小説をかなり忠実になぞりながら映像化しているが、監督独自の映像表現の中で、かなり見応えのある作品として仕上がっている。

STORY:女教師・森口悠子の3歳の一人娘・愛美が、森口の勤務する中学校のプールで溺死体で発見された。数ヵ月後、森口は終業式後の1年B組のホームルームで、37人の前に立ち「警察は事故死と判断しましたが、娘は事故で死んだのではありません。このクラスの生徒2人に殺されたのです。」と衝撃の告白をし、ある方法でその2人の生徒に復讐をしたことを明らかにする。

13歳の中学生の殺人事件、彼らの中に潜む心の闇が1つの形となって表出した事件である。この中に3組の母親と子供が登場する。娘を殺された母と娘の関係、犯人Bと過保護な母親との関係、犯人Aの母親への渇望、この子供と母親の関係性が横軸となり、学校という閉鎖社会を縦軸とし、現代社会における子供達の生き辛さをも絡ませながら物語は進行していく。

「これは復讐譚ではない。学校崩壊の状況下、それでも教師としての性を全うしようとする女性が、子供の目線に降り命の尊さを過激に諭す残酷寓話である。人間臭いゆえ泥沼にはまった者が抱える痛みと哀しみ。憎悪は反転し慈愛へと向かい、生きづらい時代の大きな物語に昇華する。」(清水節)(eiga.com)と解説にあった。

娘を殺された森口悠子が、ホームルームでの告白の途中黒板一杯に「命」と書く。この映画の中では、「命」とは何かを考えさせられる場面が様々な形で表現されている。最愛の娘の命を奪った犯人に対して殺したいほど恨み憎しみを抱くのは当然だろう。それも大した動機がある訳でなく、遊び半分、または自らのプライドのため娘を殺されたのだ。

その意味で彼女の復讐は、「命」の重みを自覚させるためにといった方法になった。自らの死を望む犯人Aに対しては、勝手に死なせないという手段をとった。復讐は綿密に組み立てられ進行していく。しかし復讐が完遂したとしても娘は戻らない。時々その空しさに打ちのめされる事もあるが、復讐は最後まで行われる。少年法で刑事罰の対象にならない13歳の犯人A、犯人Bは自らの犯罪によって自壊していく。

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毎日新聞記者の取材-高額療養費について

8月11日(水)
骨髄腫患者の会の人からメールが送られてきた。毎日新聞の記者から取材を受けてくださる患者さんはいらっしゃらないか、と問い合わせがあったということだった。

内容は、
・レナリドミドが最近承認され、薬価収載もされたが、大変高額な薬価になっている。
・高額療養費制度があるとは言え、患者さんの負担は重い。
・このような中でもレナリドミドを治療選択として選ばなければならない患者さんにお話を聞きたい。

この取材申し込みに対して了承した。私は9月からレナリドミドを使った治療を開始する。この薬が承認されるのを担当医と共に待っていたという状態だ。個人輸入も可能だったが、月額100万円の薬代を払う経済的余裕は到底なかった。新規薬剤としてのベルケイド(ボルテゾミブ)は2007年10月から3月までと、昨年12月から7月まで使用し、もはや効果は期待できない。2008年4月から使用してきたサリドマイドの効果も減退してきている。

レナリドミドは高額である。1日8,861円×5カプセル=44,305円  
1ヶ月あたりのレナリドミドの費用は、8,861円×5カプセル×21日=930,405円
自己負担額、3割負担で279,121円。

どのような価格であろうとも、もはやレナリドミドを使うしか選択肢は残っていない。確かに3ケ月後には44,400円以上は戻ってくるが、カードで払っているので銀行には絶えず30万以上は蓄えておかなければならない。

今日、毎日新聞の科学環境部の記者と池袋で会った。彼は高額療養費制度を改良しなければ、患者さんの負担が重すぎる、と大変熱心にこの問題に取り組んでいる記者だということだ。

取材の内容は、まず血液がんの診断から今日までの治療経過を聞かれた。VADから移植、MP、ベルケイド、サリドマイド、サリドマイドの併用療法といった経過を話し、これらが全て薬物耐性で効果がなくなり、レナリドミドを待望していたという説明をした。

次に経済状態を聞かれた。年金で生活している。通常老齢年金の定額部分は64歳からしか支給されないが、障害厚生年金を受給した関係で、障害等級3級と認定されていて60歳から老齢厚生年金が満額支給されている。ただその年金から所得税、住民税、健康保険料、家のローンが引かれるので、毎月定期的にかかる44,400円の医療費はかなり負担になっているのは確かだ。

私の病気は、慢性骨髄性白血病のグリベックのように一生同じ薬を飲み続ける治療法と違って、高い薬を使うこともあるが、安い薬を使うこともある。だがこの間使用している新薬はおしなべて高額である。3ケ月処方が出来れば3ケ月に一度44,400円払えばいいのだが、健康保険の審査支払機関がグリベックの3ケ月処方を認めないといった判断を示した事がある。そういったことがあると医者は3ケ月処方に抵抗を示すようになるだろう。

サリドマイド、レナリドミド、ボルテゾミブ(ベルケイド)の3種が揃った。これで欧米と同等の治療が可能となる。多発性骨髄腫や原発性マクログロブリン血症は確かに治癒することはない。しかし、こういった新薬の登場によって、生存率5~7年といったことから、高血圧や糖尿病のような慢性病になりつつある状況に近付いたのではないか。

こういった状況は望ましいことではあるが、高額な医療費はひたすら付いて回る。本人負担は、どのような高額な薬を使おうが44,400円だが、レナリドミドは1ケ月93万円だ。89万円が健康保険の財源と税金から出る事になる。大体がんになるのは年寄りが多い。ほとんどが国民健康保険加入者だろう。多くの患者が高額な医薬品を使用すれば、かなりの財政支出を強いられる事になる。そういった意味でも高額療養費の問題は健康保険制度の抜本的改革を必要とする課題だ。福祉のあり方、税金の使い道の選択を問いかけるものなのだ。

また本人負担も永続的に44,400円を支払うという現行制度を見直す必要があるだろう。高額でありながら効果的な薬が出来たことによって、長期に使用する事が多くなる。そういった場合には1年経てば自己負担額が半額になるなど、減額措置を講ずるような制度改革が必要になると思う。

取材を通しながら色々と高額医療費に関する話をした。今回の取材内容がどのような形で記事になるのかは不明だ。何人かの取材を合わせて1つの記事にするのか、単独で載せるのか分からないが、高額療養費制度の現状の問題点ついて鋭い提起をするような記事を期待する外ない。

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病院での眼科検診

8月4日(水)
眼科では、各種の検査が行われる。昨日町医者で行われた検査と同じ検査が行われ、さらに2、3付け加えられた。医者の診療を受けた。2005年12月に入院した時かなり精密な眼の検査が行われている。原発性マクログロブリン血症では血液の粘稠度が高いため、眼底検査で網膜静脈のソーセージ様怒張が見られることがある。そのため病気の進行を知るためまず眼の検査をするわけだ。

医者は今回の検査結果と2005年の検査結果とを比べながら視野や視力など特に変化はないと言う。眼圧は27mmHgと高く緑内障であるのは間違いないが、これは急性ではなく、何年もかけて徐々に進行してきたものだ。

また大量の抗がん剤などの影響や、原発性マクログロブリン血症における血液の過粘稠の影響があるかとの質問には、あった場合には両眼に現れると答えた。ともかく緑内障は治らない病気だから眼圧が上がらないように1日一度目薬を点すという習慣を続けていればいい。飲み薬は副作用があるから点眼薬の方がいい。こう言ってキサラタン点眼薬を1ケ月分処方してくれた。

このような診断と処方であれば町医者でもできたはずだ。一体何を心配して町医者は病院に紹介状を書いたのだろうか。がん患者で、様々な薬品を使用しているということで、がんを治療している病院に任せたほうが安心だということなのだろうか。

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検診の日

8月4日(水)
果たしてメルファラン(アルケラン)によってIgMは下降しているか、白血球の数値は大丈夫かが今日の関心事だ。またゾメタの点滴、サリドマイドの1ヶ月分の処方をしてもらう。2008年4月から使い始めたサリドマイドもすでに2年4ヶ月使用し続けている。長い間世話になったものだと思う。今日が最後の処方だ。9月からはレナりドミドを使うことになる。

血液内科の診療が終わったら眼科の診療を受けることになる。11時30分に予約を入れてもらった。時間の関係でゾメタの点滴は眼科の診療の後にするほかない。免疫グロブリン製剤の点滴をするかどうかは、白血球の数値にもよるだろう。先週のIgGの数値が410と改善されてきているのでやらなくても良いような気もするが、医者と相談して決めることになるだろう。

検査結果 
 IgM    3562(8/4)←3445(7/28)←2914(7/7)←3014(6/23
 白血球  2500←2500←1900←4200
 好中球  1200←1800←1100←2970
 血小板  8.6←8.3←12.4←6.0
 赤血球  325←292←320←315
 ヘモグロビン 11.1←9.8←10.7←10.3
 網赤血球   8←12←11←15

 IgG    466(8/4)←410(7/28)←352((6/23)←231(6/2)
 CRP   0.83←0.71←0.55←1.03


ファランは期待したようには効果を発揮しなかった。IgMは微増という結果だった。どちらにしてもこのまま続ける外ない。その代わりというわけではないが他の数値もそれ程落ち込んだものはない。IgGも466まで上がったので免疫グロブリン製剤の点滴はせずに済んだ。CRPもある程度収まって発熱などの症状は全く出なくなった。

血液内科の診察の予約時間は9時30分だったが、診察が行われたのが11時だった。眼科の予約時間は11時30分だったが、検査が始まったのが13時だった。検査だけで30分以上かかりそれから診断が行われ、途中視野検査をはさみ、終ったのが14時過ぎだった。それからゾメタの点滴をし会計を終え、病院を出たのが15時30分であった。長い1日だった。

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眼病の発症

8月3日(火)
2、3日前から左目で見ると霞んで見えるような状態になった。薄く霧がかかったように見える。7、8年前に夜自動車のヘッドライトが2重に見えるので眼科にいった所、白内障だと診断された。手術をするほどでもなく、進行を抑えるための点眼薬を処方された。しばらく治療に通ったが、日常生活に不便を感じるわけではなかったので通院をやめてしまった。

血液がんで入院した時、最初の一連の検査で眼底検査を行った。その時白内障だと言われたが、特に点眼薬などは処方されなかった。白内障の場合は、日常生活に不便を感じるほどの視力の低下があった段階で手術をする以外にはない。

今回左目が霞んでいるような状態だったので、急に白内障が進行したのではないかと思って、近所の眼科に行った。医者は幾つかの検査をした。屈折検査、視力検査、細隙燈顕微鏡検査、角膜曲率半径計測、精密眼圧検査、眼底カメラ撮影を行った。それらの検査結果を見ながら、瞳孔が開いている、眼圧が上がっているなどから緑内障ではないかと言った。専門病院で精密検査を受けるように言われた。早い対応が必要だ、今日にでも行くようにと言う。

緑内障の症状としては、眼圧が上がる、視力が下がる、視野が次第に欠ける、目の中心やや外れた所に暗点できるなどと書かれているが、視野欠損などの症状はない。正常の眼圧は10~20 mmHgであるというが、検査の結果30mmHgあり、確かに高い。眼圧が高いと瞳孔が開くということだ。

現在日本において、40歳以上の約20人に1人、約220万人の緑内障患者がいるとされている。治療法としては点眼薬で治療、レーザー治療、手術がある。原因としては今の所不明だが、ステロイドを長期継続使用している場合かかる緑内障は、続発性緑内障と言われている。この可能性も否定できない。

ネットで調べた所次のように書かれていた。「急性緑内障の場合は、すぐに手術が必要です。まず薬物で眼圧を下げ、縮瞳薬で虹彩の付け根の収縮をとり、房水の流れを確保します。この処置が遅れると、2、3日で失明する事があります。」こういうこともありうるのですばやい対応が必要だろう。

明日、血液がんの検診があり病院に行くので、眼科の方の予約をとろうと思ったが通常の予約だと1週間後になるといわれた。ただ医者の紹介状があれば当日受付が可能だということだ。そこで眼科の医師に紹介状を書いてもらった。明日どういった診断が下されるか。点眼薬で済むのか、手術までしなければならないのか。

医者は明日までの1日分として、眼圧を下げて緑内障を改善する作用のあるダイアモックス錠250mgと、この薬が体内のカリウム不足を引き起こす可能性があるので、アスパラカリウム錠300mgをそれぞれ3錠づつ処方した。

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がん治療とは長く細い道を辿ら
なければならない。その先に希
望があると信じながら。

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