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つばさフォーラム 「白血病―より良い治療とより良い治癒」

6月19日(日)

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 東京慈恵会医科大学、中央講堂は2階       大学周辺ビル(愛宕グリ-ンヒルズ、フォレストタワー)

つばさ特集フォーラム 特集・白血病―より良い治療とより良い治癒

会 場: 東京慈恵会医科大学 中央講堂
企画・総合司会: NPO法人血液情報広場・つばさ 橋本明子

一、血液と白血病について知ろう、造血の仕組みと白血病の病態
 -造血の仕組み、白血病とは何か(病態)、標準治療、エビデンス、臨床試験について-
 (東京慈恵会医科大学附属第三病院 薄井 紀子)

二、白血病の治療と〈その後〉について学び、考えよう。
1)急性白血病の治療 ・ 化学療法、造血幹細胞移植の実際とその選択
 -化学療法と移植の治療法の実際と治療成績、治療選択における考え方-
 (杏林大学病院 高山 信之)
2)小児白血病治療における晩期障害軽減に向けて
a)小児急性リンパ性白血病の新統一プロトコールにおける予防的頭蓋照射の全廃について
 (日本小児白血病リンパ腫研究グループ・急性リンパ性白血病委員会委員長・中通総合病院 渡辺 新)
b)小児白血病治療における認知発達への影響とその対処法
 (国立成育医療センター・臨床研究センター 船木 聡美)

三、闘病生活での様々な支援
1)移植中、通院化学療法中の感染症対策ほか、闘病へのアドバイス
 (移植看護ネットワーク・国立がん研究センター中央病院 荒木 光子)
2)より良い生活とより良い治療のために 早期からの緩和ケア
 (国立がん研究センター中央病院 緩和医療科・精神腫瘍科 的場 元弘)

より良い闘病のために・・・何でも訊こう  講師全員・会場全体とのQ&A

セミナーは白血病について病態から治療まで詳しい話が展開された。その中で特に印象に残った話3点を要約して報告記事としていきたい。

小児白血病患者へのアフターケア

子どもの治療が大人の治療と違うのは、子どもの成長過程で化学療法と放射線療法を行うことです。そのため治療後に出てくる影響がある訳です。今回は学校生活での重要な認識機能に終点を当て、影響の仕方とその対処法についてお伝えします。
例:つばさ君
4歳で急性リンパ白血病を発症
5歳で退院、退院後経過観察と維持療法を続ける。
6歳小学校入学

8歳になって母親から学校でのつばさ君の様子について報告があった。「落ち着きがない。算数が難しくなっている。のんびりしている。計画が立てられない。忘れ物が多い」ということだった。国立成育医療センター臨床研究センターのメンバーはその報告から、つばさ君の性格の分析を試みた。

彼の場合、注意力、ワーキングメモリー、処理速度、組織化の能力に問題がある。その能力に応じた環境調製をする必要がある。これ以降年4回、臨床研究センターメンバー、担任教師、母親、本人が集まってどのように対処していったらいいのかの相談会を開いていった。それはIQ的能力を伸ばす教育支援である。

具体的には「周りの音が気になって落ち着きがないのなら、先生の前に席替えをしてもらう。算数のやり方を一度に解こうと思わないで順番に解いていく。周りの人に分からない事を聞く。のんびりしているならひとより早く始める。休み時間も5分前に戻ってきて次の授業の準備をする。計画は家族と一緒に年間カレンダーをつけてそれを確認しながら行動させる。忘れ物防止には無駄でも2つ買って一つは家にもう一つは学校に置く」などのアドバイスをし、実行していった。その結果つばさ君は希望の高校に入り、大学入学し、今は地方公務員になっている。

通常退院後何年も経っているので、子どもの様子の変化を白血病治療による認識発達への影響と考える親は少ない。そのまま放置されることが多いだろう。その事によってIQの低下を招いてしまうこともある。親のみならず、臨床研究センターメンバーも注意深く小児白血病患者のその後を見守りアフターケアを行なっていきたい。

感染症対策
移植看護ネットワークを立ち上げた国立がん研究センターの看護師長荒木さんからの話。骨髄移植の治療には生活の管理が大きく関わり看護師の存在が重要である。移植患者に対する感染症対策は2000年頃から変わり始めていった。厳しすぎる感染症対策は患者のQOLを著しく低下させる。
・感染ついて効率的でなかった事項
1、患者・手の消毒
2、医療者・手の消毒
3、病棟の清掃、清潔の徹底化
4、感染予防ケア

・効率化できた事項(かっての無菌室の管理)
1、部屋や衣類の消毒
2、食事の滅菌化(レトルト的で非常にまずい)
3、全て消毒済みの物しか部屋に持ち込むことは出来ない
4、看護師とは部屋が仕切られていて入口の一角で患者とはビニールで仕切られた所で話す
5、医者も防菌マスクをして診察する
6、家族との面会も含め面会は全てガラス越しに電話でする事になる
7、検査のためにレントゲンやCT室に行く時は、外界に触れないように死体袋に詰められている感じで運ばれていく

こういった状態を徐々に変え、無菌室に看護師は普通に入ってくるし、家族との面会も部屋の中で出来るようにした。差し入れのものも特に滅菌消毒などしなくなった。食事も生物は禁止だが外の病棟の食事と同じだ。風呂に入りたい時は廊下にある風呂場でいつでも入れるようになった。廊下にはスポーツ器具が置かれ自由に使用することができる。部屋に中で全く動かないとかえって肺炎などになりやすい。閉所恐怖症になりかねないほど隔離密閉された部屋の中に拘禁された状態で暮らす事から患者を解放した。

感染は感染予防ケアで防ぐ
1、口腔の細菌を増やさない。痛痛コントロール
局所麻酔剤のうがい薬を利用して、通常の食事が出来るようにする。
2、皮膚GVHD、感染を起こさないようにする、疼痛コントロール
皮膚の清浄、清潔、温潤環境を作る。痛み止めの適正な投与
3、陰部、肛門部の清潔化に努める。
4、退院後の感染対策、リハビリテーション指導
免疫抑制剤やステロイドの影響で免疫力が低下し、真菌、細菌、ウイルスの進入を受けやすい。体の抵抗力が下がっている意識を絶えず持ちながらも、普通の生活をすることが重要である。

緩和ケア
辛い治療をじょうずに乗り越えるために、早期からの緩和ケアを。
がんを宣告され一方で治療が開始される。と同時に一方で痛みのコントロールと緩和ケアも始まる。
緩和ケアチームは医者、看護師、精神科医(心療内科)、臨床心理士、ソーシャルワーカー(社会福祉士)などで構成されている。
それは患者のケアの多様性によるものだ。
体の痛み、脱毛、スピリチュアルペイン、社会的苦痛、不眠など心理的問題を抱えている。体の痛みに関しては、モルヒネなどについての麻薬的誤解が払拭されていないので説明が必要だ。痛みの除去は患者の生活にとって最大の関心時であるはずだ。

緩和ケアは治療目的ではない。治療は大切だが、苦痛のない生活を維持することも同じように大切だ。苦痛が少ない生活をしやすいようにサポートするのが目的だ。

日本人が終末期に大切にしたいと考えていることについて、2000名程の患者からアンケートを取った所次のような回答があった。緩和ケアを行うにあたって示唆を与えてくれるものだ。
苦痛がない
医者や看護師を信頼できる
望んだ場所で生活したい
希望や楽しみがある
他人の負担にならない
家族と友人と良い関係でいたい
自立している
落ち着いた環境で過ごしたい
人として大切にされたい
人生を全うしたと感じたい

帰り御成門駅で都営三田線に乗ろうと思ってふと見ると芝公園の表示があった。すぐ目の前が芝公園の入口だった。芝公園の木の間から東京タワーが垣間見られる。スカイツリーの人気に押されて入るが、我々の世代にとって東京タワーは独特の感傷を抱かせる。

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テーマ : 思ったこと・感じたこと
ジャンル : 日記

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Author:yosimine
がん治療とは長く細い道を辿ら
なければならない。その先に希
望があると信じながら。

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