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監獄人権センターの連続講座

10月30日(日)
昨日、10月29日18時30分から監獄人権センターの連続講座の第2回目が、渋谷の伊藤塾東京校で行なわれた。この連続講座は、「犯罪をおかした人の更生に弁護士・市民はなにができるか?~受刑者をめぐる現状と課題から探る~」というもので、主催はNPO法人監獄人権センター・伊藤塾で、法学館憲法研究所の後援で行なっている。

連続講座の趣旨は次のように書かれている。「受刑者の社会復帰への支援策は不十分で、受刑者に対する不当な処遇も少なくない。刑の確定後、とくに刑務所における矯正処遇や出所後の社会復帰(更生保護)の現状、そして受刑者や保護対象者の人権保障や法的支援についての連続セミナーを開催する。」

第2回の講座の内容は、受刑者処遇の現状と課題(特に、外部交通、医療など施設内処遇について)と元受刑者の体験談(監獄人権センタースタッフとの対談)であった。

今の刑務所生活はどういう状態なのか、元受刑者の体験談は興味ある所である。その点についての集会内容を報告したい。話をしてくれた元受刑者のOさんは、田園調布資産家殺人事件の被告とされ、懲役20年の刑を受け、1995年から2007年まで千葉刑務所で服役していた。彼は未決拘留も含めて23年拘禁されていた。彼は一貫して無実を主張し冤罪を晴らすために再審請求をしている。

刑務所の日課
刑務所生活の24時間について最初に話をした。
6:30-起床 7:00-出房、洗顔、食事 7:20-工場出役 7:40-作業開始 12:00-昼食 12:20-作業開始 16:10-作業終了 16:20-帰房 16:40-点検 17:00-夕食 18:00-仮就寝 19:00-テレビ開始 21:00-就寝

刑務所生活は分刻みに運営されている。作業中の禁止事項として、私語、よそ見、離席がある。看守と目が合っただけで工場から連れ出される。離席に関しては、工具や鉛筆を落としたとしてもそれを拾うのにも許可がいる。勝手に拾えば懲罰の対象となる。

一挙手一頭足が決められ自発的に何かをすることが出来ない。何かを考えることもなく流されるままに生活しているとあっという間に時間は過ぎていく。昼の20分では作業用のマスクを洗ったり、作業メモを書いたり、官本を選んだりする時間も含まれている。7分で飯を食べないと遅いと言われる。昼休みの残りの10分位で碁や将棋をする人もいる。机を出して物を書けるのは17時からの時間だけである。かなりこまごまと忙しい。

自立を妨げる刑務所処遇
7人収容の雑居房だが、皆と同調しながらやっていく外ない。土日祭日とかで行事のない日は、9:00~12:00、13:00~15:30,19:00~21:00の間テレビの時間だ。その間本でも読んでいたい気持ちもあるが、皆とたわいない話をしながら一緒にテレビを見ている外ない。思考を止める方が楽だ。

看守と受刑者は主人と奴隷の関係だ。明日のことは分からない。いつ処遇が変わるか予告もない。全て看守が受刑者を管理しやすいという視点で決められる。考えると辛くなるから、考えない事を習慣化するほかない。

全ての行為はルールに乗って行なわなければならないが、密に決められたルールは最初抵抗があったとしても習慣化すれば精神的に安定する。反抗すると苦しい。何も考えないで流れに乗っていれば、5年位経てば慣れてきて、後で思うと辛かったが懐かしいといった気分になる。受刑者処遇法が出来て、一時期は外部交通が緩和されたが1年も経たないうちに元に戻ってしまった。

出所後の問題
長期刑務所の受刑者は社会復帰を諦めている。週一度NHKでニュース特集をやるが、誰も見ようとはしない。社会が今どうなっているかを知ろうとはしない。受刑者の半数以上の人が今まで一度も面会に来たことがないという。意識の高い人は、処遇上の問題に関して、監獄人権センターなどに手紙を書くが、普通の人は手紙など書かない。また書く相手の人もいない。

社会復帰処遇は行われているか。仮釈放で出所した人は保護会を利用できる。そこでしばらくは生活できるし、日常生活のこまごました事についても色々と教育を受ける。駅の自動販売機での切符の買い方まで教えてくれる。満期出所の場合、出る一週間前から、校長などによる命の大切さや生き方についての道徳教育が行なわれるだけで、その説教時間以外は作業をやらされる。

私の場合満期出所だったが、妹が手配してくれ帰る場所も確保してあり、迎えに来てくれたので駅への行き方を教えてもらったりしながら一緒に帰り、それ以降の当面の生活場所は確保できていた。

同じ満期出所の人がいたが、一旦外に出たが駅への行き方が分からずまた戻って聞きに来た。賞与金は持っていたが、旅館などに泊まり生活しているとすぐに金は底をついてしまう。住民票がないからアパートを借りることも就職することも難しく、また刑務所に戻るような状態に追い込まれてしまう。

刑務所での情報収集
千葉刑務所には図書館があり2、3万冊位の蔵書があり借りることもできる。しかしその本は4、50年前の本で、10年以内に発売されたものはない。県や市の図書館が廃棄する本を刑務所に回してくる。時事性のあることを学ぼうと思っても無理だ。受刑者が置いていった本は比較的新しいがそれは昼休みに配る官本として借りることが出来る。確かに本を買うことは出来るが、最近どんな本が出ているかなどの情報は私の場合読売新聞をとっていたが、その中の書評位しかなく情報が手に入らない。

刑務所は受刑者を教育しようとは思っていない。様々な情報から受刑者を遮断しようとする。パンフレットが送られてくる。看守は読むなとは言わないが「こんなのを読むと仮釈法は無理だよ」と言われる。

一旦看守ににらまれると、どんなことをしても懲罰の対象になる。例えば部屋では決まった所に座っていなければならない。しかし立ったり、動いたりすることもある。通常それは問題にはしないが、目を付けられた受刑者に対しては看守の裁量で懲罰に持っていってしまう。看守と目を合わせただけで懲罰の対象となるなど、全ての行為が懲罰になりうるように規則が決められている。

矯正教育の現状
刑務所での更生改善や社会復帰などはほとんど行われていない。色々な職業訓練をやったが、向上心でやったのではなく、作業をするより楽だからやったようなものだ。しかし内容が古くて実際社会に出て使えるものはほとんどない。また職業訓練が出来る人は限られていて誰でもができるわけではない。教育とは処遇のための道具でしかない。

無期囚の人と話すこともあるが、彼らは今ほとんど仮釈放で出られることはなく、絶望している。仮釈になるのは1年間に1000人のうちの一桁台だろう。昔は無期刑でも15年、20年で出られるということもあったが、今では多くの無期囚が獄中で死んでいる。一生出られないのであれば、更生改善を目指したり、矯正処遇などをする意味がない。長期の受刑者の処遇のあり方を考えなければならないだろう。

テーマ : 思ったこと・感じたこと
ジャンル : 日記

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がん治療とは長く細い道を辿ら
なければならない。その先に希
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