スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

監獄人権センターの連続講座

3月8日(木)
昨日18時30分から監獄人権センターの連続講座の第5回目が、渋谷の伊藤塾東京校で行なわれた。講座は全5回で今日が最終日となる。この連続講座は「犯罪をおかした人の更生に弁護士・市民はなに ができるか?~受刑者をめぐる現状と課題から探る~」という内容で様々な視点から受刑者処遇の実態、出獄者の現状にせまっていき、そこから被収容者の人権救済をどのようにして実現していくのかを探ろうという企画である。主催はNPO法人監獄人権センターと伊藤塾で、後援は法学館憲法研究所である。

1月28日に第4回が行なわれたが都合で参加できなかった。内容としては、獄中者の人権擁護のため弁護として何ができるのか実践例をあげながら、刑事弁護人としてのかかわり、国家賠償訴訟の代理人としてのかかわりについて、監獄人権センター事務局長の田鎖麻衣子(弁護士)さんが話した。

今回の第5回は2部構成になっていて、1部は田鎖さんから「刑事施設の中から行ない得る人権救済・不服申出の仕組み」についてパワーポイントを使いながらの講演が行なわれた。2部は「ワークショップ-受刑者からの相談に答えてみよう!」というもので、監獄人権センターに来た獄中者からの相談にどう答えるのかについて、集会参加者を5つのグループに分け、それぞれ少人数で話し合い、相談への答えを探っていくというものだった。

講演内容-不服申し立てのための想定可能な手段

A、刑事被収容者処遇法上の手続き
1、不服申し立て

◆ 審査申請-対象・法157条に掲げられた一定の刑事施設の長の措置(自弁物品の使用または摂取の不許可。指名医による診断の不許可又は中止。書籍など閲覧の禁止又は制限など16項目)
矯正管区による調査-裁決-裁決に不服の場合再審査請求が出来る。(30日以内)

◆ 事実申告-自己に対する刑事施設職員による行為で、身体に対する違法な有形力の行使・違法又は不当な捕縛、手錠又は拘束衣の使用、違法又は不当な保護室への収容。
矯正管区による事実の有無の確認-通知-通知内容に不服の場合法務大臣に対する事実の申告。(30日以内)

◆ 外部有識者による審査 審査の申請―再審査の申請、事実の申告-法務大臣に対する事実の申告。

◆ 不服検討委員会-弁護士(日弁連推薦)、学者、医者など5名のよる刑事施設の被収容者の不服審査に関する調査検討会。
対象:「再審査の申請」及び「事実申告」のうち被収容者の不服に理由がないと判断しようとするもの
事実上の存在:意見に拘束力なし、独自事務局なし、独自調査の能力なし

◆ 苦情の申出(法務大臣、施設長、監査官に訴えが出来る)

2、刑事施設視察委員会
・ 全ての刑事施設(刑務所・拘置所)に設置
◆ 設置
・ 刑事施設を視察し、その運営に関し意見を述べる。
・ 施設長は委員会に対して情報提供義務を負う。
・ 委員会と被収容者とのコミュニケーションは秘密保障
◆ 留意点
・ 個別事象の救済機関ではない。
・ 弁護士会推薦の弁護士、医師会推薦の医者を含む。
・ 意見に拘束力なし(尊重義務のみ)
・ 活動レベルは委員会による差が激しい。

B、弁護士会への人権救済申立
時間がかかる、生の情報を入手できない、コミュニケーションの秘密性保障なし、勧告・警告などに拘束力なし。施設に対して外部からの監視の目がある事を知らせる意義はある。

C、矯正局への通報
審査の申請、事実の申告等が、利用できない場合(対象外、期間経過など)、適さない場合(\緊急性のある場合、施設ぐるみの問題がある場合など)

D、法務局への人権救済申立

被収容の人権救済は前進したのか

明治時代(明治41年)に作られた旧態依然とした監獄法によって、長い間施設の管理と獄中者への支配を行ってきた。名古屋刑務所事件(2002年に発覚)を契機に設置された「行刑改革会議」の提言を受け旧監獄法は百年ぶりに改正された。2006年5月24日に施行された「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」(刑事被収容者処遇法)である。

この法律は、代用監獄の存置など重大な欠陥を残しながらも、刑事施設視察委員会の創設、受刑者と親族以外との外部交通の拡大、応答義務のある不服申立制度の新設など、日本の刑務所改革に向け重要な一歩を踏み出したものである。

しかし法律の施行当初の被収容者への様々な制限の緩和はやがて、現場の幹部刑務官の間で新法に対する組織的な抵抗が始まり、それが大臣訓令・矯正局長通達に及んでいる。その顕著な例が2007年6月以降の受刑者の外部交通権の後退である。

この法律は附則41条で施行後5年以内(2011年5月23日まで)に見直し再改正を行うことになっている。視察委員会の権限・事務局機能の整備、第三者による不服審査委員会の創設、不服申立ての裁決の公開による先例化、刑務作業の準賃金制と健康保険の適用及び医療スタッフの厚生労働省への移管による刑務所医療の抜本的改革も、見直し法改正の重要なテーマである。しかし結局法施行5年後の見直しでは、若干の規則及び訓令通達の見直しにとどまり、法改正は行なわれなかった。

受刑者から監獄人権センターにあてた相談件数は、名古屋刑務所事件が発覚した2002年には年間100件に満たなかったが、被収容者処遇法が成立した2005年以降は毎年1500件前後となっている。この法律によって被収容者の人権救済は拡大したのだろうか。不服申立てに対して、かっては苦情の申出は法務大臣、施設長、監査官、日弁連人権擁護委員会、それ以外は裁判所に提訴するほかなかった。

不服申立てのために審査申請(対象16項目)や事実の申告など制度化され、刑事施設視察委員会などの設置などがあって窓口は広がっている。しかしそういった情報は当局は知らせないし、様々な不利益処遇を強制してくる。そういった意味では不服申し立てを行う際には、何を期待するのか、何時の出来事か、釈放までに残された期間は、アクションの副次的効果はなどの事情を勘案し、可能な手段を選択していくほかない。

テーマ : 思ったこと・感じたこと
ジャンル : 日記

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

yosimine

Author:yosimine
がん治療とは長く細い道を辿ら
なければならない。その先に希
望があると信じながら。

最近の記事
カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
ブログ内検索
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
リンク
月別アーカイブ
RSSフィード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。