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映画 『ジャケット』

1月27日(日)
WOWOWで『ジャケット』(拘束衣)という映画を見た。なんとなく見始めていたらエイドリアン・ブロディが出てきたのでこれは奥深い映画ではないかと思っても見出した。彼は、巻き込まれ不幸になっていく時の演技が素晴らしい、あの顔が同情を引き、見る者を映画に引き込んでいく。今回の役は彼にはまり役で演技が光っている。ブロディの現実の常軌を逸した事態に翻弄され苦悩する、その様子からは目が離せない。

あらすじ:
D112235041.jpg1992年、湾岸戦争で重傷を負い、その後遺症で記憶障害に悩むジャックは、ある時殺人事件に巻き込まれ、精神病院に送られる。ベッカー医師による矯正治療を受けることになった彼は、拘束衣を着せられ狭い引き出し棚に閉じ込められてしまう。暗闇の中で意識を失ったジャックが目を覚ますと、彼は15年後の2007年にタイムスリップしていた…。1992年と2007年の2つの時を往き来しながら自らの死の謎を探る青年と、そんな彼と恋に落ちる孤独な女性の悲愴な運命を描く。(DVD解説より)

湾岸戦争の兵士ジャック・スタークス(エイドリアン・ブロディ)が頭を負傷し、記憶喪失となって時間をさ迷っている。ある日ジャックは警官殺しの罪で逮捕され、施設(精神病院)に収容後、治療の一環(自傷他害の防止)として拘束衣を着せられて死体安置用のロッカーに隔離される(担当するのはクリス・クリストファーソン演じる医師)。
 
そのロッカーの中でジャックはタイムスリップし未来へ行き、15年前まだ少女であった頃助けたウエートレス(キーラ・ナイトレイ)と出会う。そして自分が既に死んでいることを知る。過去が見え始めるが、自分は何故死んだのか、死ぬ日まで4日しかない。この謎を4日以内に解かなければならない。過去と未来を行き来しながら知り合ったウエートレスと一緒にその謎を追っていく。

精神病院で知り合う妻殺し未遂男が集会場で叫ぶ、自分は「組織化された人間」の組織に属していると、それにジャックも一緒になって騒ぐ、これは精神病院とその治療のあり方への批判ではなかろうか、薬漬け・向精神薬の大量投与でおとなしくさせ、懲罰的な拘束衣を着せての遺体安置所のロッカーへの収容といった管理、監視の体制への反発なのだろう。良心的精神科医の病院経営との葛藤も描かれている。

 自分が誰か分からなくなった時のために認識票を持っていて、本当に自分が誰か分からなくなってしまっている現実、自分が誰かも分からないまま、一生を送ってしまうかもしれない。残されている時間も少ない、この映画はそういう危惧を現代人に与える問題意識を持って迫ってくる。

時空を越えた「自分探しの旅」と言えよう。精神病院に閉じ込められそこから出ることが出来ない主人公を通して、逼塞した現代人の置かれた状況を表現し、そこからいかに自分を本当の姿を見出し回復していくか、そういった模索と格闘を表現しているのだろう。

サイコスリラー的な味付けになっているが、実際には精神病院の中で自己を失っていく患者が現在と未来を行き来する中で、死の真相を究明しながら、自己を取り戻そうそうともがきながら少しずつ自分の本当の姿を見出していく。

 結局主人公の取った行動は自らの死を回避するということではなかった。おそらく彼自身の中で、未来へ行く目的が変わっていったのだろう。自らを犠牲にしてでも愛するものの運命を変える・導くという普遍的な愛がそこには描かれているのではないか。だが彼の愛によって変えられた未来に彼は永住の地を見つけられるのかどうかそれは疑問のまま映画は終わる。

テーマ : 思ったこと・感じたこと
ジャンル : 日記

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