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ユベール・ロベール-時間の庭

5月19日(土)
木曜日、眼科と口腔外科の診療は11時30分に終った。東京新聞を購読しているが、料金を徴収に来る時に、野球の試合の切符か美術館の入場券をくれる。野球は神宮球場の試合で日にちが指定されているし、神宮球場でやる試合には興味がない。美術展の入場券も何種類か持ってくるのだが、なかなか興味を引くものはない。

入院前に「ユベール・ロベール-時間の庭」という美術展の切符をもらった。西洋美術館で5月20日までの開催だった。今週の日曜日には終ってしまう。聞いた事のない画家だったが「廃墟の画家」というキャッチフレーズに興味を引かれ見に行くことにした。

hubert_robert_convert_20120519121743.jpgユベール・ロベール Hubert Robert(1733-1808): 18世紀のフランスを代表する新古典主義の風景画家。廃墟や古代建築物のある風景を得意とし、時には生命力溢れる人物を配置する知的で叙情豊かな風景表現で名を馳せ、人々からは廃墟の画家と呼ばれるほど人気を博す。また庭園設計や絵画管理者としての才能も発揮し、特に1790年代後半に参加したルーヴル宮改造計画における一連の諸作品は画家の才能が随所に発揮された傑作として名高い。

展覧会について:
世界有数のロベール・コレクションを誇るヴァランス美術館が所蔵する貴重なサンギーヌ(赤チョーク)素描を中心として、初期から晩年まで、ロベールの芸術を日本で初めてまとめて紹介する。ピラネージからフラゴナール、ブーシェまで師や仲間の作品もあわせ、ヴァランスの素描作品約80点を中心に約130点にのぼる油彩画・素描・版画・家具から構成される。

展覧会は6章で構成されている。1 イタリアと画家たち、2 古代ローマと教皇たちのローマ、3 モチーフを求めて、4 フランスの情景、5 奇想の風景、6 庭園からアルカディア。

 廃墟という言葉に何故人は惹かれるのだろう。一時廃墟ブームというのがあった。廃墟化した建物が持つ特有の雰囲気に何故魅力を感じるのだろうか、 幾つかの視点が上げられるだろう。廃墟となった施設が使われていた頃の様子を想像し、愛着を感じる者、 探検感覚で廃墟を探索する者、 旧式のドアの取手や、水道の蛇口、照明器具などの収集の目的を持っている者、などがあるだろう。 いわば過ぎ去った時代を懐かしむ気持ちが大きいのではないか。

ユベール・ロベールの廃墟への関心は、ポンペイやヘルクラネウムの遺跡発掘に沸いた18世紀という時代背景が大きいのだろう。またイタリア留学で得た古代のモティーフと、画家の自由な想像力とを糧に描き出されたその風景では、はるかな時をこえて古代の建築や彫像が立ち現われてくる。それも廃墟としてなのであるが、同時に廃墟の中にあふれる木々の緑や流れる水、日々の生活を営む人々が描かれている。

廃墟の中に描かれる日常生活の生き生きとした情景は、両者のコントラストを作り上げ見る者を過去と現実との間の中に投げ込むのである。ここではもはや廃墟は過去のものではない。

ロベールは11年に及ぶイタリア滞在中に、在りし日の威容を誇る古代遺跡やルネッサンスの栄華を示す大建築、あるいは打ち捨てられて植物が繁茂する庭園などを素描した。ロベールの芸術は、精密な古代遺跡へのデッサンの下地を生かしながら、時の流れを越え、過去から現在に至る時間を自らのものとしていったのである。それは単なるノスタルジーではない。廃墟をモチーフとして描きながら、現在にどのように位置づけられるかを考えながら創作していたのだろう。

自然と人工、空想と現実、あるいは想像上の未来と幸福な記憶を混淆させ、画家は絵画と庭園の中に彼の考える理想郷を作り上げていったのである。それは過去と現在が限りない調和を作り上げている世界なのだろう。遺跡を描くことによって過去を過去として葬り去るのではなく、全ての人の心の中に存在するし、現在の全ての人の生活に密接に結びついているということを強調したかったのかも知れない。

(参考資料:国立西洋美術館公式HP)

テーマ : 思ったこと・感じたこと
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