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哲学堂公園-梅

2月18日(月)
 朝から快晴だった。しかし午前中は北風が強く吹き、かなり寒く表に出る気はしなかった。しかし昼前に風はぴったりと止み気温も上昇し、春めいた暖かい日差しが辺りを包んでいった。寒い日は一歩も外に出ない日が何日かあった。そんなことを続けていると体が鈍ってしまう。

ume3.jpeg 梅の開花情報が目に付くようになって大分経つ。かなり咲いているだろう。梅の見頃情報でも都内で3,4分咲きということだ。近くで梅を見られるということで哲学堂公園に出掛けた。暖かい陽だまりの中で、日向ぼっこをする人、本を読む人、将棋をしている人が穏やかな日差しの中でのんびりとした雰囲気を作っている。

ほとんどの人が老人だ。退職して家にいてもしょうがないから公園でぶらぶらしているのかもしれない。働く気があっても高齢者の就職は難しい。

 発病から既に2年と3ケ月。その間仕事は全くしていない。このうち1年間は入院生活だ。一体この間何が出来たのだろうか。何をしたのだろうか。仕事をしていた間は、仕事以外何もしていなかった。仕事に追いまくられていた。家に帰っても寝るだけのような生活だった。

しかし今はすべてが自分の時間だ。あこがれた悠々自適の生活であるのは違いない。近くに図書館もあり、ブックオフもあり、池袋まで行けばジュンク堂やブック・リベロ等の大きな書店があり欲しい本は読むことができるし、情報はインターネットでも手に入る。読みたい本を読み,書きたいことを書いて、テレビドラマや映画は見たいだけ見ることが出来、行きたい所に行き、後は家事をこなすだけだ。

しかしそれで満足なのだろうか。充実した生活なのだろうか。その問いは絶えず発せられる。確かに治療は続けなければならない。だるさにぐったりしてしまうこともある。今は末梢神経障害で手や足の先が痺れている。3,4日前からひどくなってきている。

以前植物アルカロイド系の抗がん剤ヴィンクリスチンを使用していた時も末梢神経障害はあったが今回はそれとは比較にならない程痺れは強い。まだ包丁を持てなくなるとか、歩行に困難をきたすほどではないが、これ以降のベルケードの投与で痺れが強まっていく可能性はかなりあるだろう。

 哲学堂公園の梅林は妙正寺川を挟んで桜の広場と向かい合っている。梅はまだ十分咲いているとはいえない。冬至という白梅と八重寒紅という紅梅が静かに花を咲かせている。

早咲きの八重寒江の紅梅は既に満開近く花開いている。桜の華やかさはないが、厳しい冬の寒さから春を迎え、心の重荷を開放するかのような暖かさと優しさを表現しながら花を咲かせている。赤と白のコントラストが他の植物が枯れ果てた中に佇み自己表現している様は生命の循環を深く印象づけるものである。

    「梅一輪 一輪ほどの あたたかさ」 服部嵐雪

 仕事をしていた時には梅も桜もなかった。花をめでるなどという心の余裕はなかった。今は自然をありのまますんなりと受容することが出来る。自然の流れのままに生き、死んで行く。がむしゃらに運命に逆らったり、立ち向かったりするのではなく運命を受け入れそこから何かを始めようとする、そういった穏やかな心構えが必要ではないか。

「宿命転機」という言葉がある。自らに科せられた運命を見つめ、受け入れそこから新たな自分を見出していくそういった生き方が問われているのではないか。

テーマ : 思ったこと・感じたこと
ジャンル : 日記

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がん治療とは長く細い道を辿ら
なければならない。その先に希
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