スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

光市母子殺害事件・死刑判決

4月22日(火)
光市母子殺害事件の判決
光市母子殺人事件の判決公判が広島高裁で行われ、元少年に対して死刑判決が下された。死刑判決に対して元少年は「自分は死刑になってもいいと思っているが、こういった事件での死刑という判例が、後の少年事件に影響をもたらすことは避けたい」と言っている。判決を受けた弁護団は「死刑はやむを得ない時だけ適用するという従来の考え方から、凶悪な事件はまず原則として死刑とする考え方に転換してしまった」と述べ、判決をきっかけに厳罰化が加速すると主張した。

マスコミは、ひたすら被害者家族の本村洋氏を登場させ、被害者感情を述べさせ、死刑を扇動していった。また被告の弁護団に対して懲戒請求を煽り立てるタレント弁護士の尻馬に乗り、弁護団批判を展開した。被害者感情としては、妻子を殺した被告に対しては八つ裂きにしても足りないくらいの怒りと憎悪を持っているだろう。だがそれは判決に影響するものであってはならない。

マスコミの報道の問題点
マスコミの被害者よりの報道の過熱は、来年5月から始まる裁判員制度の問題点となるだろう。裁判員がマスコミの影響で被告人に対する感情的反発で偏った判断をしかねない状況が多分に考えられる。こういった野放しの、人権意識の全くないマスコミの情報操作の中で裁判員がまともな判断が出来る土壌が日本にあるのだろうか。

市民の治安意識は、マスコミによる報道に接することを通じて、形成されている。マスコミが好んで報道するのは、いわゆる視聴率を稼げる話題性を有する事件が中心である。その結果、マスコミの情報によりつつ治安意識を形成しているのでは、わが国にはいわゆる猟奇的な殺人事件が急増し蔓延しているかに思えてしまうこととなる。市民の一人一人が、マスコミを通じての大衆操作に乗せられてしまっている。

kyouaku_convert_20080423120659.png

少年による凶悪犯罪は増えたのか
はたして少年犯罪は増えているのか。上の表(『犯罪白書』より)を見てみると、少年による凶悪犯罪は1958年から1966年までがピークで、それ以降は急激に減少し、1996年までずっと低水準で推移してきた。1996年の検挙数は1062人、1997年は1701人。なぜ、これまで低水準で推移していたのに、この年、前年に比べて突然600人以上も少年の凶悪犯罪が増えたのか。

「ゲームやアニメをはじめとする暴力的メディアが、人の痛みを分からなくさせ、犯罪を引き起こしている。」といったマスコミの類型化された報道が聞こえてくるようだ。少年たちの心情に何らかの変化があったのか。そんなものはない。この年、取り締まる側である警察の姿勢に変化があった。1997年6月3日関口警察庁長官が「悪質な非行には厳正に対処、補導を含む強い姿勢で挑む」と述べている。この発言から、警察が強硬姿勢を示し、少年犯罪の罪状がより重く科せられるようになった。

この厳罰化の傾向により、いままで窃盗として取り扱われていた事件が強盗として検挙されることになった。例えばひったくりでもこれまではすべて窃盗に分類されていたものが、傷害を負わせてしまえば、すべて強盗として数えられることになった。1997年以降の凶悪犯罪増加については、少年自体は何も変わっていないが、警察の姿勢が変わったことが原因である、といえる。

少年犯罪の質は変わったのか
「昔は生活苦からやむにやまれず犯罪に至る少年が多かった。しかし、今は豊かになったにもかかわらず、アニメやゲームの影響で心が貧しくなり、執拗で病的な少年犯罪が多くなった。また、現代の少年はキレやすく、ちょっとしたことに我慢が出来ず、重大事件を起こす」と犯罪の質の変化をマスコミは報道する。

しかし過去の少年犯罪でも、現在の犯罪より病的ではなかろうかと思える事件がたくさん報道されている。また、キレやすさも大して変わらないし、最近になってから質が変わったとはとても言えない。マスメディアの言う少年犯罪の急増、凶悪化、質の変化などという現象は全く存在しない。

しかしマスメディアの情報操作により、少年法の改悪の目論見や、少年犯罪への厳罰化が進んでいる。今回の光市母子殺害事件の判決もこういった流れの中でなされたものである。死刑判決の急増や、やつぎばやの死刑執行、あらゆる犯罪への重罰化など、こういった流れをどこかで止めないと国家による監視・管理の体制がますます強化されていくのを許すことになるだろう。

テーマ : 思ったこと・感じたこと
ジャンル : 日記

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

yosimine

Author:yosimine
がん治療とは長く細い道を辿ら
なければならない。その先に希
望があると信じながら。

最近の記事
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
ブログ内検索
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
リンク
月別アーカイブ
RSSフィード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。