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プレカリアートは増殖・連結する

6月17日(火)
 しばらく前の雑誌の記事に、独立系メーデー「自由と生存のメーデー2008」で読み上げられた「メーデーアピール」が掲載されているのを読んだ。そのアピールは現代社会の矛盾と現状の問題点を的確に表現しているように思う。新自由主義経済においては、互いの生をおとしめあう際限なき生き残り競争へと人々を駆り立てている。自らの力も才能も個性もそして人格さえも労働力商品として市場で売り買い可能なものと変容させ、その価格を引き上げることが生存の条件となっているのが今日の社会の在り様なのだ。

title.jpgアピールは現状の問題点を次のように列挙している。
 ・女性と若者の半数が非正規雇用に置かれている。
 ・一千万人が年収200万円以下での生活を強いられている。
 ・正社員はノルマに追われ過労死、過労自殺に追い込まれている。
 ・野宿者は生きることが罪であるかのように街から排除されている。
 ・応益負担の名の下に、高齢者、障害者からの収奪が強化されている。
 ・移民を認めず日本国籍を持たないものの就労を非合法化してきている。
 ・研修制度によってアジアからの移住労働者に奴隷労働を強いている。
 ・一方経営者利得と、株主への配当は激増し、富裕層が形成されてきている。

このように現在の矛盾を示しながら、次のように方向性を指し示している。「プレカリアート(注)の増殖は自由と生存を引き換えにする動きに対して、決して同意しない人々の増殖と連帯を促してもいるからです。
自由と生存を引き換えにするのではなく自由も生存も求めていくのです。自立への孤立ではなく、連帯の中に自立を求めて。」


 今やフリーターは200万人を超え、パートや派遣、契約を含む非正規雇用者は1500万人を超える。フリーターの平均年収は百万円代で、20代、30代が多い。現在、「新自由主義」経済下でのグローバリゼーションの中で、資本の運動を通じて、「労働」の意味が変容しつつある。

高度な機械化やIT化が進んで、労働者が不要になり、安い労働力を求めて資本は、第三世界の国々に移動し、労働者が使い棄てられる。経営者は労働力を3つに分類し再編しながら、差別分断を強化してきた。1995年に日経連が出した「新時代の『日本的経営』」がその出発点だという。

つまり、(1)一部の正社員「長期蓄積能力活用型グループ」、(2)専門技能を持つ層「高度専門能力活用型グループ」、(3)使い捨てのパート・アルバイト「雇用柔軟型グループ」の3つだ。厖大な人達が、この3番目の分類に入る。それを促進するかのように、1999年の労働者派遣法が改訂され、派遣対象業務が原則自由化されたことで、非正規雇用が急速に拡大している。

このように非正規雇用の拡大の中で、特に日本やアメリカ合衆国など社会保障の割合が小さく、自己責任の割合が大きな社会では、最低限の生活水準さえも保障が期待できない。この結果として、以下のような問題が発生する。

所得格差・貧富の差が拡大し、そのことによって階級の固定化が進行する。また貧困層が増大し、犯罪の増加など社会不安を招く。そして中流階級の没落により、高等教育を受けられない層が増加し、そのことがさらに格差を生み出してくる。

それだけに止まらず収入・身分が不安定なため結婚や出産の減少、離婚の増加し、少子高齢化による内需荒廃・経済成長率低迷といった社会全体の停滞へと繋がって行く。社会の活性化のためにも政策的に行なってきた新自由主義、市場原理主義の悪弊を払拭し、一部資本家の利益のみに迎合している政治方針を変えていかなければならない。政策的に推進してきた非雇用社員の増大がもたらす多くの歪は既に破綻してきている。今こそ大きな政策転換が求められている。

注:プレカリアート(precariat)とは、「不安定な」という形容詞に由来する語句で、新自由主義経済下の不安定な雇用・労働状況における非正規雇用者および失業者を総称する言葉。プロレタリアートと語呂を合わせることで、新貧困層の現実との向き合い方を示している。

テーマ : 思ったこと・感じたこと
ジャンル : 日記

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