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映画 『イキガミ』

11月2日(日)
自分が余命宣告されているという事で、それに関した映画とかについ興味を惹かれる。余命24時間を宣告された時、人は何をするのだろうか。何をしたいと思うのだろうか。

イキガミ_convert_20100507214751_convert_20100507215024STORY:「国家繁栄維持法」が施行された日本。子供たちは小学校入学時にナノ・カプセルが注射され、その中の誰かが1000人に1人の確率で18歳から24歳の間に、国家のために死ぬ運命にあるのだった。国民の生命価値を高めることで社会の生産性を向上できるということから行なわれている。政府より発行される死亡予告証は通称「逝紙(イキガミ)」と呼ばれ、それを受け取った者は24時間以内に死ぬ。

全体は「イキガミ」を受け取った3人の若者のエピソードで構成されている。親友から引き離され、一人スカウトされた路上ミュージシャンの話し。盲目の妹をかかえた兄の話し。母親の過剰な期待の中で引きこもりになってしまった息子の話である。

路上のミュージシャンの話
初のテレビ出演を翌日に控えているギタリストの田辺翼は、ボーカルと反りが合わず、悩んでいた。元々、親友の秀和とコンビを組み、路上で歌っていたが、翼ひとりだけがスカウトされ、事務所に決められたボーカリストとデュオを組まされたのだった。イキガミを受け取った彼は、死までの5分の時間に、最後の力を振り絞って、自分が最も親しい友人と一緒に路上で演奏していた歌を、音楽番組の中で歌い多くの人に感動を与える。

イキガミを配達する事に悩む主人公に対して、課長は言う「この歌を輝かしたのは、君が届けた『イキガミ』です」と。だからといってこの制度が肯定されるわけではないが、人は自分の人生が限られている事を知る事によって、残された時間を精一杯生きようとするのだろう。

盲目の妹を持つ兄の話

もう一人は、妹のために角膜を提供しようとする。妹はお兄さんが死ぬことになるなら角膜移植の手術は受けないという。苦労してやっと妹を納得させ、角膜移植の手術は成功し目が見えるようになり、兄の優しい心を改めて知る事になる。

ここで語られる2つのエピソードは、一人は人生の最後に、本当の自分に戻り心の底から自分の心を解きはなったのだろう。もう一人は妹のため自分の身を捧げる献身性を発揮し彼女の視力回復のため残りの時間を費やす。死を迎えた時の自己実現と、自己犠牲という2つのテーマが語られている。

この2通りの生き方はある意味で、人が自らの生き方を選択する時の、きわめて重要な要素であると思う。自分の本当にやりたいことをやりきれば死の恐怖を打ち砕く事ができるのではないか。それがどのように理不尽な死の強制であろうがなすべき事を終えて迎える死は一つの救いをもたらすと思います。「常に全身全霊で生きていれば、人生は違ったはず。」と主人公の課長は言う。余命が限られている事を知る時、人はどのように生きるのか大きな示唆を含んだ問題提起であると思う。

引きこもり青年の話
3人目は、物語の主題の「国家が人の命を奪う」ことの問題点を提起するエピソードとなっている。息子がイキガミを受け取り24時間後に死ぬという時に、その死を選挙に利用する冷酷な母親を殺そうとする引きこもりの青年の話だ。

母親は「国家繁栄維持法」の積極的推進者で、息子に来たイキガミに対し、息子は国家のために死んでいくことを賛美する立場で発言する。演説会場に現れた彼は銃を持ち母親に狙おうとする。最初は看板を打ち抜き、次に母親に狙いを定めるが昔の母親の愛情を思い出し撃つ事ができなかった。

息子への死の宣告を悲しむ事もできない「国家繁栄維持法」とは何なのだろうという問題提起になっているように思う。国家がどのような大義名分を掲げようが、人の命を奪うということは絶対に許されないという強烈なメッセージが、息子の撃った銃声の中に込められているような気がする。

テーマ : 思ったこと・感じたこと
ジャンル : 日記

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イキガミは,星新一が書いたショートショートとクリソツと,遺族が抗議しました。抗議しただけで,それ以上,法的処置に訴えるというようなことはしませんでしたが。
ところで,日付が,1ヶ月過去にタイムトラベルしています。(^_^;)>10月2日(日)

ご指摘有難うございました。日付は訂正しておきました。星新一の娘さんが盗作の疑いがあると主張した件については、ニュースで見た事があります。残念ながら星新一の本は読んでいないので何ともいえませんが、映画は中々感動的でした。
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Author:yosimine
がん治療とは長く細い道を辿ら
なければならない。その先に希
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