11月24日(月) 昨日WOWOWで『グッド・シェパード』という映画をやっていた。CIAの成立過程や、一人の諜報員を通してCIAの問題点をえぐる映画だということで見てみた。この題名は「“良い羊飼い”は羊のために自分の命を犠牲にします」という聖書の一節の引用だという。羊とは国家の理性とも読める。しかし、CIAは本当に国家の理性なのだろうか。陰謀と謀略の中で、国家の利益とは何かを主人公は深く考えざるを得ない。そして、国を守るか家族を守るかの究極の選択を突きつけられることになる。監督や俳優もどのような映画になるか興味ある組み合わせだった。
監督・俳優 監督・出演 : ロバート・デ・ニーロ 製作総指揮 : フランシス・フォード・コッポラ 脚本 : エリック・ロス 出演 : マット・デイモン 、 アンジェリーナ・ジョリー 、 アレック・ボールドウィン、ウイリアム・ハート STORY: イエール大学でエリートコースを進んでいた青年、エドワード・ウィルソン(マット・デイモン)は米軍にスカウトされ、第二次世界大戦中の戦略事務局(OSS)で諜報任務に従事することになる。終戦後、OSSの延長線上に創設されたCIAの一員となり、世はソ連との冷戦時代に突入する。そしてCIA最大の汚点と言われた「ビッグス湾事件」の失敗の原因を追求していくが・・・。(シネマ・カフェネットより)
映画の中で、亡命を願い出たソ連の将軍が次のように言っているのが興味深かった。「ソ連は今ぼろぼろだ、アメリカの敵ではない。アメリカもそれを分っていながら、仮想敵国を作り出し過大にそれを宣伝し、自分たちの国の軍事力を強化しようとしている。」
CIAの陰謀 CIAの目的は、米国の覇権の維持拡大であるが、そのために政権中枢に介入するだけではなく、逆に反政府勢力にも介入接触し、政策をコントロールしようとする。反社会集団の活用も辞さず、アメリカが攻撃対象とできる反米集団をあえて育成して、覇権拡大のために利用してくる。ソ連のアフガン侵出に対して、イスラムの過激派を集め、米軍基地で訓練しアルカイダを作ったのはCIAである。
ケネディとCIA 「ケネディ大統領はCIAを壊滅させようとしていた事は様々な資料からあきらかである。ピッグス湾の大失態をまざまざと見せ付けられたケネディは、当時の政府高官に彼がCIAを粉々に引き千切って風に飛ばしてやりたいともらしている。ケネディはCIAを部分修正したり改革を提案するといった生ぬるい物ではなく、CIA組織そのものの徹底的解体をめざしていた。」
また「1963年10月ケネディはヴェトナムにいる1000の兵士を呼び戻すことを強く主張した。ケネディの特別顧問だったケネス・オドンネルはケネディは1964年の次期選挙の後、全アメリカ兵をヴェトナムから引き上げさせる計画をたてていたと証言している」(中央情報局解析より)。そして1963年11月ケネディ大統領は暗殺された。CIAの関与は疑いがない。
CIAを動かす者たち 冷戦後はCIAの予算も大幅に縮小される傾向にあったが、同時多発テロの発生により2001年よりブッシュ政権下で予算は大幅に増額された。戦争はアメリカにとってビジネスだといった人がいた。戦争は米国にとって、世界支配・一国覇権主義の手段であると同時に、金を儲ける手段でもあるのだ。そしてそれを操っているのは誰なのだ。
「米国の真の支配者は政府を買収した者たちだ。大統領はその雇われ人に過ぎない。彼らが権力を握っている限り、米国は戦争犯罪を繰り返す。そもそも米国の大統領は巨大な権限があるとされていますが、国防総省やCIA、NSA(国家安全保障局)、FRB(米連邦準備制度理事会)など巨大な官僚組織があり、自分の一存で急にそれまでの政府の政策を変えることは困難なシステムになっています。同時に米国の大統領は選挙に勝つため一般国民に役に立つかのような期待を持たせ、当選したら財界の御用聞きになるのです。大統領選では財界から一番多くの金を集めた候補者が当選するからです。」(ビル・トッテン)
米国の富裕層 「400人のアメリカの最富裕層、そうたったの400人が底辺の1億5000万人分を全部合わせた以上の財産を持っています。最富裕400人が全国の資産の半分以上を隠匿しているのです。」(マイケル・ムーア)
自動車産業のビック3が公聴会で、政府からの公的資金援助を求める発言をしていたが、その会場に来るのに38億円のジェット機を利用していることへの指摘が議員からなされた。以前石油価格の高騰で、市民が悲惨な目にあっていたときに、公聴会で米国の石油メジャーの幹部は、前年の数倍に及ぶ年収を得ていた事が明らかにした。
今米国発の金融危機が世界を覆っている。これは世界支配を続けてきた米国の新自由主義に基づく市場原理主義の破綻である。戦争による覇権主義の終焉となるだろう。ブッシュ政権は発足当初1270億ドルの黒字を引き継いだ。しかしイラク戦争の失敗の中で現在9兆5000億ドルの負債を背負っている。こういった状況の中で米国はどのような道を歩んでいくのだろうか
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