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映画 『アース』

1月18日(日)
earth_book.jpgWOWOWで『アース』という映画をやっていた。5年の歳月を費やして完成させた自然ドキュメンタリー。舞台を地球全体に拡げ、北極から熱帯、深海まで全世界200カ所以上で撮影を敢行したという。

ホッキョクグマ、アフリカゾウ、ザトウクジラといった様々な生き物が厳しい自然の中で紡ぎ出す命のドラマを最新鋭の技術で捉えた映画だ。地球の現状を動物の生態を中心に撮影した。地球温暖化の警鐘も含めて。

地球ができたのは、今から約46億年前のことだ。また形成の最終段階で火星サイズの惑星の衝突も起きたといわれている。この衝突によって地球の地軸が曲がりそれによって四季が生ずるようになったと、次のように解説にあった。「太陽に対し23.5度傾いてしまう。この天文学的事故はまさに奇跡だった。地軸の傾きは暑さ寒さという気候の変化を生み、壮大な景観を作り出した。」

宇宙生成の遠大な過程の中での一つの偶然の結果、我々は四季を享受することが出来ている。この中で、様々な動物の生態が紹介される。生きるための闘いが繰り広げられる。

ライオンの群れがいて食料がなく通常襲わない象に目をつける。大人の象は無理だから子供の象を狙うが、大人の象が子供を囲って近づけない。止むを得ず、群れからはぐれた大人の象を襲う。一匹では到底勝ち目がないが、20匹総出で襲う場面が出てくる。

また温暖化の影響で氷が溶け、餌であるアザラシを捕まえる事ができない白熊が、セイウチも群れを襲う。大人のセイウチの牙には対抗できない。子供のセイウチを襲おうとするが大人のセイウチが防衛する。結局白熊は餌を取ることが出来ず、飢えて死んでしまう。

確かに弱肉強食の世界といえばそれまでだが、そのようにして自然は循環し、そのサイクルで調和を保っている。猛獣が、草食動物を餌にして生き延びているのは自然の摂理だろう。

ヘラクレイトスは「万物は流転する」(Παντα ρει、Panta rhei )と言った。自然界は絶えず変化していると考えた。地球の生命の循環も繰り返しながら一つの法則の中に収斂されていくのかもしれない。ヘラクレイトスが移ろい行く自然の流れの中に一つの法則、即ちロゴスを見たように。

海外旅行に行った帰り、飛行機の中でたまたま添乗員の隣に座った。その人は当然の事ながら英語がしゃべれて、外国人のスチュワーデス(キャビン・アテンダント)にワインを次々と注文してくれておかげで何杯も飲む事が来たのだが、その女性がニューヨークの動物園の話をしてくれた。その話がおもしろかった。

ニューヨークのブロンクス動物園は猛獣を集めた動物園であり、順路の最後に『鏡の間』という部屋がある。そこには「この地球上で最も危険で獰猛な動物」と書かれていた。その部屋を覗こうとすると鏡がかかっている。自分の姿が映し出される。最も獰猛な動物とは即ち人間なのだ。猛獣といわれる動物は生きるために獲物を捕らえ殺す。しかし人間は、私利私欲のために人を殺す。さらに戦争ともなれば何万人もの人を国家のエゴのために殺す事ができる。これほど残忍な動物はいないだろう。

地球に生きている様々な生物の現状を含めた自然の情景を見つめる時、人間の持っているエゴイズムと驕りがやがて自らの身を滅ぼしていくのではないかという危惧を感ぜざるを得ない。この『アース』という映画は動物の生態を丹念に追っていながら実は人間に対しての問題提起であると思える。

映画の随所に散りばめられるように映し出される世界各地の四季の輝くばかりの風景描写は、そのあまりの美しさに見とれるばかりだが、それにただ感動していればいいと言うものではないだろう。やがてそれが失われていくかもしれない危機を我々人類が抱えているという現実を決して忘れてはならないという問いかけを、その自然の美しさが強烈にアピールしているのである。

テーマ : 思ったこと・感じたこと
ジャンル : 日記

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