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映画 『告発のとき』

3月10日(火)
TSUTAYAで今日1日限定で、準新作と旧作が半額だというキャンペーンをやっていた。そこで、借りて来たのが『告発のとき』だ。この映画はイラク戦争の問題点を深く抉り出した作品だという事を聞いていた。

STORY: 2004年、ハンク(ジョーンズ)の元に息子のマイクが軍から姿を消したと連絡が入る。イラクから戻ったマイクが基地へ戻らないというのだ。ハンクも引退した元軍人だった。息子の行方を探るべくハンクは基地のある町へと向かう。帰国している同じ隊の仲間たちに聞いても、皆マイクの行方を知らなかった。やがてマイクの焼死体が発見されたという連絡が入る。ハンクは地元警察の女刑事エミリー(セロン)の協力を得て、事件の真相を探ろうとするが…

告発のとき_convert_20100507193807 主演のトミー・リー・ジョーンズは缶コーヒーのコマーシャルで御馴染みでどんな演技をするか分らなかったが渋く深みのある演技を見せていた。軍隊への信頼が不信に変わっていく心情の変化を、表面は静かにしかし深い懊悩をもって表現していた。

シャーリーズ・セロンは「モンスター」を見て、その演技のすごさに驚いた。ハリウッド一の美貌の持ち主との評判をかなぐり捨て、10キロ以上の体重増加を行い醜女メイクで実在の女シリアルキラーを熱演した。

スーザン・サランドンはマイクの母親役で出番は少なかったが、その中で二人の息子を失った母親の苦悩の表現力はすごいものを感じた。彼女は95年「デッドマン・ウォーキング」で印象に残っている。

 この映画は、失踪したイラク帰還兵の息子の行方を捜索し、息子死を知りその真相を探ろうとする父親が、アメリカ軍が封印しようとする真実に迫っていく。2003年に実際に起きた事件を基に、ポール・ハギスが映画化した。

あえてアメリカの闇に触れ、戦争とは何か、戦争が人の心に何を刻み付けるのかを描いたものだ。アメリカの戦争犯罪を抉り出すように描き、自らも加担者になりかねないといった自省的な思いも込めて、イラク戦争への告発を行っている。

 息子に関する真実を追い求めるにつれて、父親の知らない息子の素顔が明らかになっていく。イラク戦争における日々の殺戮と死への緊張感の中で、麻薬の常用も含め徐々にその精神を崩壊させていき、本国では考えられないような残虐な行為を始めた息子の真実を目の当たりにするにつけ、自ら軍人としてアメリカの軍隊とその正義に一点の曇りもなく信頼を寄せていて、息子が父親に習って軍隊に入ることに賛成したことの是非が問われる場面に遭遇したのである。

イラクでは車を走らせている時、決して止まってはいけないことが軍隊内では鉄則になっている。敵のロケット砲の攻撃にさらされるからだ。マイクは運転中車を止めず子供をひき殺してしまう。しかしその後仲間が止めるのも聞かず、車を止めて車から降りて一枚の映像を撮影した。その映像が何を意味しているのか、父親は考えた。

ある時息子は「ここから(イラク)から離れさせてくれ」と父親に懇願した。それに対して父親は何もして上げられなかった。息子は精神のバランスを欠いていく。衛生兵と名乗り捕虜に対して治療と称して虐待を繰り返し、仲間と面白がっていた。

戦争がいかに人を痛めつけ、狂わせるかという、戦争の悲惨さ、無情さをこの映画は描きながら、戦争を遂行し続ける現代のアメリカが抱える問題を訴えている。

 戦場、それはやるかやられるかしか選択肢のない場所だ。そこから帰還した兵士が、相手が例え、共に戦った戦友であっても、反射的に相手を殺すことが、日常になってしまっている。それでなければ生き残れなかっただろう。そうなってしまった人間が通常の市民社会の中で暮らすのはきわめて難しい。イラクはあまりにもひどいと言いながら、また戦場に戻りたいという兵士が登場する。

父親は、息子の死と、死にまつわる真相が明らかになるにしたがって、生まれて初めて自国の戦争に疑問を持ち始める。これまで信じてきた国や軍とは何なのか。アメリカは他国に正義の名を持って侵略しているがこのことは意味を持つのか、そして同時に戦争に駆りだされた若者の心に何を刻み付けていったのか。

 長男は海軍での事故で死亡し、今次男の死に直面した。二人の息子まで失った父親の祖国への怒りを、息子が送った古びた星条旗を逆さに掲揚することによって表現した。これは父親の軍隊と国家への「告発」なのだろう。

同時に星条旗を逆さに掲げるのは、国家の救難信号と彼は言った。この国は今、未曾有の危機にさらされている。この無駄な戦争を続ける限り危機はますます拡大していく。イラクからアフガンへと戦争は継続して行く。そして若者は無駄死し、精神を病んでいく。ひたすら続く戦争を終わらすまで、ずっと国旗を逆に掲げ、戦争こそが国家の危機なのだという事を訴えていかなければならないのだろう。

テーマ : 思ったこと・感じたこと
ジャンル : 日記

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