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分子標的治療薬

11月15日(水)
 現在使用しているベルケードという抗がん剤は、分子標的治療薬の分野に属する。現在この薬による副作用は血小板の減少ということ以外には現れていない。吐き気、下痢、手足の痺れなどの副作用を訴える人もいるという事を聞いたが、そういった兆候は今の所現れていない。正常細胞のダメージを最小限に止め、がん細胞のみををターゲットとして攻撃し、がんの進行をストップさせる分子標的治療薬について報告しよう。

分子標的治療薬とはどういうものか 

 がんの治療に使う抗がん剤は、がん細胞の特徴である異常な細胞増殖を抑制・阻止し、がん細胞を殺す作用に重点がおかれ研究されてきた。放射線療法や化学療法は、細胞のDNA という「生命の設計図」に障害を与えることで、がん細胞を死に導く。

 細胞が増殖する際には、細胞周期の休止期および細胞の分化期(G1期)、DNA合成期(S期)、細胞分裂準備期(G2期)、細胞分裂期(M期)という4段階の細胞周期がある。多くの抗がん剤は、細胞周期を頻繁に繰り返す細胞に対して、DNA合成や細胞分裂を妨げる働きをもつ。

 しかし、細胞周期を頻繁に繰り返す細胞は、がん細胞だけではなく正常細胞にもある。そのため、多くの抗がん剤は正常細胞をも殺してしまうことから、副作用-骨髄抑制(貧血)、胃腸障害、吐き気、神経障害、脱毛など-として出現する。このような副作用の多くが一時的なもので、しばらくすると回復するものもあるが、体力回復などはかなり時間がかかるし(半年~1年)、もとに戻らないような傷害を残すこともある。

 しかし分子生物学の進歩により、がん細胞がもつたんぱく質だけに作用する分子標的治療薬が開発された。がんの悪性化にかかわる増殖因子や転移関連因子などのミクロな分子にターゲットを絞り、その働きを止めて、がんの進行をストップさせる。分子標的薬がターゲットにする分子は、「遺伝子」や、あるいはその遺伝子の命令によって作られる「蛋白(たんぱく)質」だ。小さな分子のうち、がんに特殊にかかわっているものを見つけ出し、それを狙って攻撃する。

 すべての細胞は、遺伝子の命令によって作られるたんぱく質を使って生きている。たんぱく質なしでは細胞は成り立たないが、必要なたんぱく質は細胞の種類や役割によって異なる。がん細胞は人体に役立つような仕事はせずに、人体からエネルギーをむさぼりとって増殖する。がん細胞は周囲の正常細胞を圧倒して生きてゆくために、正常な細胞には作れないような特殊なたんぱく質を作ったり、あるいはがん細胞の生存に有利なたんぱく質だけを偏って作る。

 そこで、このような、がん細胞に特殊にかかわっている「分子」を見つけだし、狙い撃ちにすれば、正常細胞のダメージが減るので、副作用を少なくできるのではないかということで期待されている。さらに、分子標的治療薬によって、既存の治療法では限界が見えてきた進行がんや肺がんといった難治がんなどの克服の可能性がでてきている。

 分子標的薬では、副作用が少ないことが期待できる。ところが一方で、そうしたこれまでよく知られた抗がん剤での副作用とは性格が違うような副作用が認められることも分かってきた。その意味では、当初予想されたより「副作用がない薬」ではないことが判明しつつある。

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テーマ : 雑記
ジャンル : 日記

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