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市民公開講座「血液のがんと共に生きていくために」

3月25日(水)
3月22日の日曜日、慶応義塾大學医学部ノバルティスファーマ造血器腫瘍治療学講座主催の「市民公開講座」が日本骨髄腫患者の会で紹介されていて、それに申し込み案内状が来たので参加することにした。あまりこういった医者や学者の講演会に参加したことはなかったので、どういったものか興味があった。雨の中を慶應義塾大学の三田キャンパス北館1階ホールまで出掛けた。受付で講演レジュメを受け取った。これがパソコンで、会場のスクリーンに映され説明に使われる。

講座は3部構成で展開された。
1部は、血液がんの基礎知識-血液がん(造血器腫瘍)についての基礎知識を持とう!

 poster.gif講演1-血液がんはどういう病気?
 講演2-血液がんの治療成績を理解するために必要な知識。

2部は、治療の現状-血液がんの標準的名治療とこれからの治療について学ぼう!
分科会1 講演3-悪性リンパ腫の治療
       講演4-骨髄腫の治療
分科会2 講演5-急性白血病/MDSの治療
       講演6-慢性白血病の治療

3部
は、治療の支援体制-血液がんの治療を支えるチームのメンバーについて知ろう!
 講演7-リハビリテーション科の役割
 講演8-緩和ケアチームの役割
 講演9-Cancer survivor/家族の役割

講演1-血液がんの発生について
血液の組成から始まり、血液を作る造血幹細胞がどのように腫瘍化して行くのか、様々な造血器腫瘍があるが、それぞれどのような発生態様をたどるのかを分りやすく説明してくれて今まで知った知識をおさらいしてくれている様でとても役に立った。

講演2-臨床試験の結果を理解するための基礎知識
統計数値をどのように見て理解して行くのかの説明だった。標準治療と呼ばれているエビデンスがあるがこの治療方針を出すための臨床試験データーの出し方、また生存解析の方法などの説明が行われ、どの抗がん剤が効果的かどうか判断していく根拠について詳しく話された。

分科会は、関係ある1に出て話を聞いた。悪性リンパ腫についてはあまり知識は無かったが、原発性マクログロブリン血症との類似点を知ることになった。WMはある意味で悪性リンパ腫と多発性骨髄腫の中間的なものだと言われている病気なのだから、両者の知識を持っておくに越したことはない。

講演4-多発性骨髄腫の治療
最新の治療データーとして、サリドマイド、レナリドミド、ボルテゾミブの治療成績を、従来の化学療法と比較した統計値を持って話した。

2008年米国血液学会での話題が語られた。
* 新規薬剤+抗がん剤(シクロフォスファミドなど)+デキサメサゾンの併用療法
* ボルテゾミブ+レナリドミド+抗がん剤+デキサメサゾン
―寛解導入率は(特に完全寛解到達率)及び無憎悪生存期間は改善、ハイリスク郡の予後も改善・・・しかし、全生存期間の延長はいまだはっきりせず。併用により副作用も増える。

またダブル自家移殖群対シングル自家移殖後同種ミニ移殖群の治療成績についてフランス、イタリア、スペインの3つの統計値のデーターを比較して効果があるのかどうかの評価が、各国で分かれているという事例が話された。統計というもの取り方などの差もあるが、これだけ新薬が出て様々な治療法が出ている現状の中でもどういった治療法が最善なのか、中々出し切れていない現状が一方で明らかにされた。

新規薬剤による副作用に次に話しは進められた。ボルテゾミブによる神経痛や末梢神経障害にどのように対処するのか。薬の量をどのように減らして行くのかや、痺れに対する薬物治療として、1、ビタミンやサプリメント(vit B complex、葉酸)2、抗てんかん剤(ガバペン)3、抗うつ剤(SSRIパキシル、三環系ノリトレン)などの服用が提案された。

講演7-リハビリテーション科の役割
血液ガン患者に対するリハビリテーションの実施を実際に行っているという話をした。一般的にはリハビリテーションというと脳溢血などでの体の麻痺に対する機能回復を意味するように思えるが、がん患者が長期入院で体が弱り、退院しても中々日常生活に戻れない現状を回復するべく、入院中、例え移殖室に入ってもベッド体操などで体の筋力の衰えを進行させないため、体操のやり方を書いたパンフレットを配って、指導を行っているそうだ。

講演8-緩和ケアチームの役割
今まで緩和ケアというと、治療後の、終末期医療の一環のように受け止められてきたと考えられてきたが、実際には緩和ケアは入院した時から始まる。がんで入院した場合、人は多くの問題を抱えることになる。精神的苦痛(先行き不安、治療の展望が分らない)、肉体的苦痛(治療上の苦痛)、社会的負担(家族間の軋轢、会社のこと、経済的なこと)などを総合的ケアすることが緩和ケアの目的だ。

そのため意味で何人かの専門家がチームを組んで対処しなければならない。担当医や看護師、精神科医や臨床心理士や福祉のカウンセラーなど連携して取り組んで行くことが必要だ。こういった患者の肉体的精神的フォローを行って行くのが緩和ケアチームの役割である。

多発性骨髄腫の新しい治療法の開発は目覚しい物があり、これによって治療効果は上がり、寛解率は上昇していることは確かだろう。それに伴う副作用もあるが、かっての大量抗がん剤使用に比べれば比較的楽なほうかもしれない。

しかし新薬によって無憎悪生存期間は改善されるものの、全生存期間に有意差なしというという状態であるというのもまた事実だ。ただ新薬が開発されてからまだ間がないというということもあって統計数値が十分に取れていないという点も見逃せない要素となっている。また、新薬を使用する場合、従来の化学療法をやり、移殖も行いながら再発した難治性の患者が対象となる。その点も生存率に影響してくるのだろう。ともかくどのような方法を使ってでも無憎悪期間を延ばし、寛解状態を長く保っていられることが重要だ。効果のある薬がある限り、慢性病の一種だと思って、気長に治療を続けていけばいいだけの話だ。やがて治癒に結びつく新薬が出るかもしれない。

リハビリテーション科や緩和ケアチームの存在は注目に値する。中々何処の病院にもあるものではない。体調の管理は自己管理の最大のものだ。体を動かさず、体力が衰えれば精神的にも落ちこんでいく。病院の中での運動はもっと何処の病院でも推奨すべきだと思う。

緩和ケアといってもなかなかチームでは出来そうにない。私の病院でも医療相談室というのがあって専門の担当者に予約入れれば話を聞いて相談に乗ってくれる。ただ治療上の痛みのケアはどうしても医者任せになる。医療上の問題や痛みは諦めないで医者にはっきりというべきなのだ。それが出来ない患者の意識を変えないと医者と患者との信頼関係の改善は望めないような気がする。

テーマ : 思ったこと・感じたこと
ジャンル : 日記

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興味深い情報をありがとうございました。
私も、できれば聴きたかった!
ところで昔、習い事の後で慶応の三田キャンパスの前を通って田町駅までよく歩きました。
寒かった時、途中で食べたラーメンがおいしかったこと、駅に近い鯛焼き屋のお兄さんが一個おまけしてくれた(ニッコリが効いた?)ことなど思い出します。

何十年も前の馴染みの場所に行ったり、その場所を思い出したりすると、否が応でも時の流れの速さに驚いてしまいます。一体今までどのように生きてきたんだろうと立ち止まる機会を与えてくれます。そういった意味で、馴染みの場所を訪ねたり思い出したりするのは辛い面もありますが、一方で自分を見つめ直すのに役に立つような気もします。
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Author:yosimine
がん治療とは長く細い道を辿ら
なければならない。その先に希
望があると信じながら。

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