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希望はあるのか

10月4日(木) 
公園の薔薇
 朝太陽が出ていることは何日ぶりだろう。秋晴れのすがすがしい天気だ、雲も一つなく晴れ渡り気温も丁度いい。ぶらりと近郊を散歩するのには最適だ。といってもどこかに出かけるという当てもない。かってこのような天気の時に職場に行く途中によく考えたものだ、このまま仕事場ではなく郊外に散策にでも行けたらと。いざ何時でも行けるようになるとなかなか思うように体が動くわけではない。
 
 何かをするには踏み切りと決意がいる。昼食をとってから疲れが出て2時間ばかり昼寝をした。昨日少し動いただけで疲れが出たのだろうか、不甲斐ない体力だ。結局3時過ぎに起きてどこかへ行く当てもなく、買い物に行って公園で缶コーヒーを飲んだ。公園の一角がバラ園になっており60本ほどの様々な種類の薔薇が5月頃から咲き、次々と秋の終わりまで咲き続ける。薔薇を見るとリルケの「薔薇」の詩を思い出す。

old01.jpg  放棄が放棄につつまれ
  やさしさがやさしさに触れて・・・
  それはまるでおまえの内部がたえず
  みずからを愛撫してでもいるようだ、- (山崎栄治訳)


ロッキーの言葉
  『ロッキー・ザ・ファイナル』をDVDで見た。「多くの人は情熱を持っていても、それを燃やす機会を見つけられず失ってしまう。」といった台詞があった。情熱、自らの中にくすぶり続けている炎、それを燃やすか炭にするのか全て自らの意思によるものだ。しかし問題はそのくすぶるものが自らの中に見出せるのか。別の考え方をすれば持っていれば生への執着が増し、もっていなければ死への受容がスムーズだろう。何かやりたいことがあるということは死への恐怖を増すものだ。特になければ何時でも死ねる。

 また息子に言い放った「困難にぶつかるたびにそれを他人のせいにし、人を指差しその人のせいにするということは卑怯者のすることだ。世の中気を抜いていたらすぐにどん底まで落ちる。どんなきついパンチを浴びてもひたすら苦痛に耐え前進していかなければならないそれが人生だ。」こういったエネルギーは何処から湧いてくるのだろう、気力は体力から来るという、精神力は独自にエネルギーを生み出すということはない。病気の治療もひたすらパンチを浴びながら前進しているには違いないがそしてその先にあるのは完治か死亡かの運命の選択があるのだ。

希望と勇気
「力強く生きること」=どんな時にも希望、頑張る気持ちを忘れない事といった感想文が「ももの木」(血液患者コミュニティ)の命の授業に書いてあった。また命の授業での発表では「最後の話の締めくくりは希望につながる言葉で終わりましょう」とあった。
 
 しかし治らないという病気を抱えている状態で、病状の進行を抑えるだけで完治することはないと分かっている状態で少なくとも治るという希望は閉ざされている。その事が生きることへの絶望ということに即つながるわけではないが希望という概念は存在しない。希望とは絶望があってその対極として生まれて来るもので絶望がなければ希望もない。生きることについての絶望があって始めて希望も見えてくるのだろう。
 
 そもそも生きることに絶望していなければ希望という概念も存在しない。絶望の闇が深ければ深いほど希望の光は明るい。山登りでもそうだが登りが急であればあるほど厳しければ厳しいほど頂上を制覇したときの感動は大きい。淡々と生きている人生であれば希望も感動も生まれない、達成感も存在しない。むしろ希望などという言葉は虚しいだけだ。ベートーベンの言葉にdruch Raiden Freude(苦悩を通して歓喜を)とあるが絶望と希望との関係もそういったものだろう。

  患者会に慰問に来てくれたバンドの「エール」とという曲の中に「希望という勇気を 君が教えてくれた。優しい君のエールが 今の僕の全てほら見てごらん 未来 今の君を見て 笑ってる必ず来るよ 望んでる時間 未来の君が手を差し伸べている」とあった。「希望という勇気」希望は勇気によってもたらされるものだろうか、希望が勇気をもたらすのだろうか。希望があれば生きる勇気が出てくる、勇気があれば生きる希望を持つことが出来る。密接に結びついた関係なのだ。

テーマ : 思ったこと・感じたこと
ジャンル : 日記

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がん治療とは長く細い道を辿ら
なければならない。その先に希
望があると信じながら。

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