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講演会 「抗がん剤無料化-韓国患者に学ぶ」

6月12日(金)
東大医科学研究所付属病院で、Pt Support主催の第1回講演会-患者自らの活動と工夫-「抗がん剤無料化-韓国患者に学ぶ」という講演会が行われた。

Pt Supportは、患者自らの思いを実現させるために「自ら活動し、工夫していく」ための患者活動を応援することを目的とし、事務局を医科学研究所先端医療社会コミュニュケーションシステム社会連携研究部門内に設置し、今年から活動を始めた組織だと紹介されていた。第1回講演会では韓国から2人の講師を招き、韓国での患者会運動の現状を報告してもらった。

集会はまず主催者代表として田中祐次医師よりの挨拶から始まった。講演は5人の講師の話で構成されている。大谷貴子(NPO全国骨髄バンク推進連絡協議会会長)、田村英二(いずみの会:慢性骨髄白血病患者・家族の会代表)、野村秀昭(フェニックスクラブ事務局、CMLの会代表)、姜柱成・KANG GOO SUNG(患友会元代表)、崔鐘燮・CHOI JONG SUB(ル・山友会代表)である。

この講演者たちの話の中心は高額なグリベックをどうして行くのか、或いはどう扱っていったのかということである。日本においてグリベックは2001年の承認以降CMLの第一選択薬として、多くの患者にとって不可欠な存在になっている。

7年生存率86%という高い効果が統計上出ている。しかし非常に高価な薬剤であるため、例え保険が適用されていても医療費の患者自己負担額は生じてくる。

姜柱成氏の話が非常に興味深かった。彼は1999年慢性骨髄性白血病(CML)を発症、同種移植を受ける。2001年にCML患友会の代表、グリベック患者非常事態対策委員会の代表をしてきた。

韓国でのグリベックを巡る闘いは最初グリベックの認可を求めてであった。次にはグリベック価格の問題だった。日本円にすると、通常1日4錠服用するので9,430円となる。1ケ月で28万2900円、1年で399万4800円となりとても普通の経済状態の人が使用できる金額ではない。

保険適用と薬価値下げと個人負担金の値下げと薬価制度に対する改善要求を加え闘争に突入した。国家人権委員会を占拠し篭城。ノバルティス社占拠篭城-警察による強制解散。それによって篭城団解散したがその闘い中で次のような結論を得た。

解散とともに得た結果
-グリベックに関して、小児をはじめ患者全体に保険を適用
-患者本人の負担金10%値下げ(30%→20%)
-患者の薬価20%中10%をノバルティス社が払い戻しとして負担。患者は一割負担となる。

「我々の闘いは、単純に薬価との闘いではなく患者の権利と命のための闘いであった。健康と医療の問題が持つ公共性に対する社会認識を成熟させ、全患者の権利意識を成熟させた事に意義がある。健康の問題が個人の問題ではなく権利として認識すべきだ。市民と患者の力で健康になる権利を獲得しよう。」

この発言には日本人が思いつかなかった発想がある。「健康とは権利である」国家は人の権利を極力押さえ込もうとする。権利は黙っていて与えられるものではない。歴史の中でかって人民は国家の圧制に対して血を流しながら自らの権利を勝ち取ってきたのだ。

健康を維持する、適切な医療を受けることが出来る、これは人間としての権利なのだ。それが今日本では社会福祉費年間2200億円削減という方針が恥ずかしげもなく、まかり通って来たのだ。さすが今年は選挙もあるので、そのような額の削減は出来なかったようだが、これに対して、どのような闘いが取り組まれただろうか。薬価の問題で厚労省と徹底議論を交わしたことがあるだろうか。権利は闘いの中で獲得できるものである。それを韓国の患者会は明確に示してくれた。

さらに姜柱成氏は続ける。ノバルティスを占拠していた時に社長からの提案があった。「薬価は製薬会社の価格通りで、患者負担金3割は製薬会社で払う、患者は無料で薬を使用できる。」これに対し一晩考えて結論を出した。高い薬の7割は政府が払う事になる。即ち税金ということになる。患者運動が、患者の利己主義になってはならない。提案は拒否しあくまでも薬価の引き下げを求めていった。

市民の共感を得られない闘いは敗北する。共通の利害を追求してこそ、患者運動は市民と共に要求の実現を勝ち取ることが出来る、といったことを強調した。

日本のグリベックを巡る対応は、大分違うがそこには創意工夫が見られる。日本の保険制度の下では医療費は幾らかかったとしても高額医療費制度があり、国民健康保険だと最初の3ケ月は患者負担が8万円だが、4ケ月目からは4万4千円となる。しかしCMLは治ることはない。一生続く毎月の定期的な出費は限りない患者の経済的或いは心理的負担になっている。

ある飲食店の店主が、不況で客足が途絶え、仕入れの金の工面も難しくなり、グリベックスに払う金が払えない状態になった。病状が安定しているから大丈夫だろうと3ケ月ほど服用を中止していた。突然急性転化し、病院に担ぎ込まれた。どうにか回復したが、こういった薬なのだ。

いずみの会の患者同士の話の「病院にこまめに通って検査しなくてもいい患者にはグリベックを長期に処方してもらったらどうか。」ということで、最初は公的規制を考えたが、医療機関によって運用は判断されている現状を考え患者から担当医に「3ケ月処方にして欲しい」旨の依頼をする事にした。そうなれば3ケ月に1度4万4千円払えばいい事になる。

引き受けてくれる医者もいるが、駄目な場合もある。そういった方法があることを考えてもいない人も多かった。CMLの患者にこの情報を流し担当医に頼んで、試してみることを進めていきたい。

CMLの会は署名運動を始めている。〈CMLを「高額長期疾病(特定疾病)にかかる高額医療費支給の特例」対象に指定していただくように求める〉というものだ。現在3疾病(血友病、HIV、人工透析の腎臓病)に加えて、CMLを特定疾病に追加してもらいたいという要望の署名だ。高額長期疾病の自己負担限度額は、外来・入院ごとに同一月・同一医療機関で適用され、一部負担金は、10,000円となる。この特例が適用されれば患者の負担は大幅に軽減される

テーマ : 思ったこと・感じたこと
ジャンル : 日記

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CML 患者 休飲中

3年位前に、発病して、1年半位グリベックを、飲んでいましたが、最近の、不景気で、薬を、飲むのを、休んでいます。
グリベックが、安くなれば、また、飲み始めようかと、思っていますけど!
今と、変わらないようなら、家族には、悪いけど、このままでもいいかと、思っています!
何か、協力出来る事が、あれば、協力させて下さい!

No title

経済的にグリベックを継続的に服用できないという状況の厳しさがどの程度なのかを理解することは難しいのですが、確かに国民年金生活者であれば毎月44,400円負担することは不可能に近いでしょう。

進行が遅く服用しなくても大丈夫だと医者が言ったのなら別ですが、服用しなければ病気は確実に進行し命に関わる問題になります。3ケ月処方で3ケ月一度44,400円支払うのも難しいのでしょうか。

一度「CML患者・家族の会・いずみの会」に相談してみてはどうでしょうか。この会は慢性骨髄性白血病(CML)の患者及び家族の情報交換や治療の向上のための活動を行なっていて、CML患者の様々な情報を集約しているので、牧本さんのような状況に置かれた人がどのように問題を解決したかの情報もあると思います。

何か協力できるならば「いずみの会」にあたってみるのがいいでしょう。同じ患者同士の情報交換は大きな意味を持つと思います。そういった交流の中から自分に見合ったボランティアの仕事も見つかると思います。


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Author:yosimine
がん治療とは長く細い道を辿ら
なければならない。その先に希
望があると信じながら。

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