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入院中の出来事

10月10日(土)
血液ガンで入院すると、通常化学療法を何クルーか行い、それによってがん細胞を減らし、その後造血幹細胞移植する。そのまま寛解になり治療を終らせる場合もある。化学療法は何クルーか繰り返して行う。白血球(好中球)が上昇し1クルーが終ると、1週間ばかり退院して、再び同じことを繰り返す。

一時退院し再入院すると必ずといっていいほど病室が変わる。病室によって違うが、話好きな人が一人でもいると皆和気藹々と病気になった経過や家族などについて話をする。部屋によっては、病状が重く副作用に苦しんでいる場合でなくても、皆カーテンをひいて自分の中に閉じこもってしまって患者同士話をすることが全くないこともある。

患者の人の話を聴くと、がんというものがいかに人生を根底的に変えてしまうものであるのつくづくと思い知らされる。とりわけ血液ガンのように長期に渡る治療と療養が必要な病気の場合はなおさらである。そして若年者の場合それはさらに苛酷な運命を辿る事になる。1人の例を挙げよう。

2007年11月に入院した時に同じ病室にいた人だ。向かいのベッドだったのでよく話をした。30代後半の患者で、8月から急性骨髄性白血病で入院していた。

彼はチェーン店の居酒屋の店長をしていて、同時に板前として、調理場で包丁を振るっていた。毎日帰りは1時2時だ。体力には自信があり、あらゆる仕事を自らこなした。何の自覚症状もなかった。疲れ易くなったと後から考えれば思い当たる。

ある日、仕事場からの帰り道、突然倒れ、近所の人が呼んでくれた救急車で病院に運ばれた。そこでの血液検査でヘモグロビンが1.0にまで落ちていた。よく動けていたものだと医者から言われた。急性骨髄性白血病と診断された。即刻入院となった。

8月から化学療法を開始し11月段階で既に5クルー目だ。抗がん剤がなかなか効果を発揮せずがん細胞は減少してくれない。最初からの3回は殆ど効果がなかったという。通常1クルー3週間位で、1週間程の自宅療養というパターンを繰り返す。しかし彼の場合で化学療法後の白血球の上昇が遅く、1回の治療で1ケ月半以上かかかってしまう。妻の事が気懸かりだが、中々一時帰宅が出来ない。

妻は子供がいないので入院中アパートでずっと一人暮らしだった。夫ががんになり収入も途絶え、行く末どうなるのかの心労が重なり、1人で思い悩み、寂しさを紛らわすためにアルコールに依存し、依存症治療のために入院してしまった。

外出許可はいつでも取れるのだが、彼女は夫が迎えに来ない限り病院から出ようとはしない。そういった意味で、彼は早く退院して、少しでも傍にいてあげたいのだが、なかなか退院できないといったことであせりもある。

結局、夫婦2人とも長期入院という状態になり、収入が全くないこともあって、荷物を倉庫に預けアパートも引き払ってしまった。退院しても帰るべき家はない。その時は妻の実家に滞在する。

化学療法が効果を上げて完全寛解になり、退院できれば板前の腕があるのでいつでも働き場所はある。ただ、化学療法も最初の療法では効果がなく、段々と強い抗がん剤を使ってきているので肉体的消耗は激しくなるばかりだ。

退院しても直ぐには働けないし、板前の仕事も深夜までの長時間労働が多いのでそれに耐えられる体力を回復するまでにはかなりの時間が必要となる。その意味で退院後の生活展望は全く立てることは出来ない。未来は絶望的なのだが、今は治療に専念する外ない。

彼の場合子供がいないが、小さい子供を抱えていた場合、さらに悩みは深刻になるだろう。子供のことを考え、生きていたいという想いが強く、そのことを考えるだけでもがんになった運命を呪いたくなるだろう。

笑福亭小松は39歳の時、進行性胃がんと診断された。5年生存率15%というがんだ。彼は号泣し「時間を下さい。まだ小さいうちの子が、大人になるまでとは言いません。せめてそこそこ大きくなるまでの時間を私に下さい」と天に向かって拝んだ。こういった状況を見ると、高年齢でがんになったということがせめてもの救いではないかと思ったりもする。

テーマ : 思ったこと・感じたこと
ジャンル : 日記

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Re: はじめまして

原発性マクログロブリン血症は骨髄腫とリンパ腫の中間的な病気といっていいでしょう。私の場合は医者が言うようにIgM型骨髄腫で、かなり骨髄腫に近く治療法も完全に骨髄腫の治療を行っています。今骨髄腫の治療法は新規薬剤の登場によって画期的に進展しています。

通常骨髄腫は完治は難しく、再発を繰り返しますが、再発をせず10数年過ごしている人もいます。また再発しても、新薬の効果的な使用によって長期生存が可能となっています。定期的に薬を服用しながらも通常の仕事をしているといった、高血圧や糖尿病などのいわば慢性病の一つとなる時期に到達しつつあるような気がします。

確かに抗がん剤の副作用とりわけ移植時の大量化学療法で辛い思いする患者に対して、何をしてあげたらいいか分らないという気持ちがあるとは思います。自分の場合そういう時何をしてもらいたかったかを考えてみるに何もなかったような気がします。どの道自分で耐える外ないのですから。

ということであまり気にしない方がいいと思います。この辛い状況にのめりこみ、落ち込み、引きずられることは患者にとって望むところではありません。自分の生き方を貫いていった方がいいと思います。自分の病気が他人に否定的な影響を与えることは患者にとってかえって辛いことです。

ブログへの評価有難うございます。これからもコメントよろしくお願いします。
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がん治療とは長く細い道を辿ら
なければならない。その先に希
望があると信じながら。

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