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映画 『タクシー・トゥ・ザ・ダークサイド』

10月25日(日)
guantanamo.jpg 大分前に行った集会でアムネスティのチラシを受け取った。そこに上映会・講演会の案内があった。映画は『タクシー・トゥ・ザ・ダークサイド』で、講演は元ガンタナモ被収容者ムラッド・クルナズさんだった。上映会は虎ノ門の発明会館ホールで行われた。

チラシには次のように書かれていた。「アフガニスタンのタクシー運転手ディラウォルの死。殺人と書かれた米軍による死亡証明書を読めない家族。真実を追究するジャーナリストや弁護士がたどり着いたのは、キューバのグアンタナモ米軍基地だった―テロとの戦の闇に切り込む衝撃のドキュメント。」まだ日本では劇場公演はされていない。自主上映だけだ。2008年度・第80回アカデミー長編ドキュメンタリー賞 監督、脚本:アレックス・ギブニー。

 2002年12月1日、アフガニスタンのタクシー運転手ディラウォルは3人の客を乗せたまま、二度と家族の元には帰らなかった。ディラウォルは「テロ」容疑者として米兵に引き渡され、バグラム空軍基地の拘禁施設に収容されたのだ。そこで拷問を受け、5日後に死亡した。

彼の足には拷問の後がはっきりと残っていた。もし生きていても足を切断しなければいけなかっただろうというほど損傷していたという。捕らえられてからずっと手錠で手を広げて吊るされていた。力を緩めれば手錠が手首に食い込む。

米空軍基地にあるバグラム留置施設、イラクのアブグレイブ刑務所、キューバのグアンタナモ刑務所これらは刑務所ではなく、ナチスの収容所と同じだ。裁判もなく、弁護士もなく、期限もなく何時終るとも知れない拷問が繰り返され自白を強要する場所でしかない。

実際収容所の中にいる95%は戦闘現場で捉えられた人達ではなく、密告によって「怪しいと」言われて捕まった者達だ。密告すると3000ドルが米軍からもらえる。その金欲しさにどれだけ無実の人が捕らえられたのだろうか。

 収容所内で「自白」を引き出すための拷問がいかにして正当化されていったのか、拷問が現場の一部の兵士の行き過ぎた行為ではなく上官からの命令によるものである事がインタビューの中で明らかにされる。

そしてさらにブッシュ大統領をトップとした指揮系統に基づいて行われていた事実を浮かび上がってくる。ジュネーブ条約による戦争捕虜に対する人道的取り扱いの条項をいかに無効にするのかの議論が平然と行われる。

9.11以降ブッシュ政権が進めた「テロとの戦い」とは何だったのか。「正義」を振りかざした戦争の影で、何が行われてきたのか。この映画はモラルなき人間が権力を持つことの危険を教えてくれる。

9.11当日貿易センタービルの4000人のユダヤ系従業員は全て休みを取っている。9.11の直前、事件に巻き込まれて株価が暴落した企業の株が、軒並み大量に売られていた。ビルは下から崩れていった。ビルの警備責任者は元FBI副長官ブッシュとも関係が深いジョン・オニールで爆発以降行方不明だ、など9.11はCIAとモサドの謀略だという説もある。また少なくともCIAは事前にテロ情報を察知していたということは本当だろう。

 「米経済は戦争で維持されている」とアメリカの経済学者は言う。巨大な軍需産業とその手先となって動く政治家がいかに戦争をしたがっているか。ベトナム戦争を終結しようとしたケネディが暗殺されるような国がアメリカだ。

真珠湾攻撃を事前に察知していながら、国民の戦争遂行体制を作るためにその情報を隠蔽したのもアメリカだ。真珠湾で何万人死のうが、9.11で何千人死のうが国家戦略のために何の痛みも感じないのがアメリカの権力者たちなのだ。こういった国に追従していた小泉-竹中は何の大義名分もないイラク戦争に加担し、アメリカ資本の日本の市場への自由介入のため新自由主義を推進し日本の経済を混乱に陥れた。彼らはアメリカのためだけに仕事をした。

 グアンタナモ収容所はアメリカの戦争犯罪者としての姿を浮き彫りにする。自らを世界の覇者としての驕り、思うがままに世界を操ろうとし、他民族の自立と解放を認めない傲慢さが収容所の拷問の実態と重なりあって見えてくる。拷問の技術の発展は如何に人間が残酷な生き物であるかを思い知らされる。

昔からあった魔女狩りの時の肉体的拷問以外に、アメリカの行動心理学のあらゆる研究成果を駆使した拷問が行われた。音も光も遮断した狭い密室に3日間閉じ込めておけば人の意識は崩壊するという研究結果を拷問に取り入れる。

ゴーグル、マスク、ヘッドフォーンとグローブを着用させられ、聴覚視覚を奪う。鳥小屋のような檻に閉じ込め屋外に何日もさらす。強い光と大音量の音に長時間さらす。高温(熱湯)、低温(冷水)の両極端な温度にさらす。裸にして犬をけしかける。眠らさない、同じ姿勢を取り続けさせる。ありとあらゆる虐待と拷問が考え出された。アメリカは拷問禁止条約を批准している国なのだ。ブッシュ政権はこういった尋問テクニックは拷問ではないと居直っていた。

 講演を行ったムラッド・クルナズさんはパキスタンでパキスタン兵に捕られ米軍に引き渡されバグラム空軍基地の拘禁施設に送られた。取調官は「私はこれ以降アルカイダの行動に参加しません」という文書に署名しろという。それを拒否すると水責め等様々な拷問を受けた。

その後グアンタナモ収容所でありとあらゆる拷問を受けた。しかし彼は署名しなかった。その信念は何処から生まれたものだろう。日本の留置所でも嘘の自白で「殺人」を認めてしまい冤罪として闘っている人もいる。

アメリカの最新科学を利用した肉体的心理的拷問に屈せずあくまでも署名を拒否した彼の信念に脅威を覚えざるを得ない。彼は自分の信念を支えたものは家族そしてイスラム教の教えだと言った。

 9.11契機に、ブッシュの指揮の下、米政府はなりふり構わず人びとを拘束し、「テロとの戦い」の名の下であれば、秘密裏に移送し、拘禁し、拷問にかけた。

その後国際的世論の批判の高まりもあって、オバマ大統領は就任2日目の2009年1月22日、グアンタナモ収容所の1年以内の閉鎖、軍事委員会での裁判の停止、CIA拘禁施設の全面閉鎖、尋問中の拷問の禁止などを命じる大統領令に署名した。これは、人権尊重に向けた大きな一歩であるだろう。そして我々は何ができるのだろう。何時でも課題はそこにある。

テーマ : 思ったこと・感じたこと
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