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院内患者家族交流会(おしゃべり会)

11月13日
K病院の院内患者交流会は2ケ月1度第2金曜日に定期的に行われる。入院している患者は自分のこれからを知りたいと思う。患者体験者の話を聞くことでこれからの人生をどう生きていくかの参考になるだろう。退院した人は、体調が回復していないこともあり外出することもまれだ、人間関係が狭まって家族以外話し相手もなく部屋に閉じこもりがちになる。

患者会の集まりはそういった個々の閉塞感を開放する場なのかもしれない。この場の話で何かを解決出来る訳ではない。主催している「ももの木」のメンバーは臨床心理士でもないし精神分析医でもない。心の鬱積を晴らすには心理療法士や精神分析医の助けよりも、患者同士が悩みをぶつけあってカタルシスを得ること以上の解決はないと思える。普通の人同士の話では、ちんぷんかんぷんな言葉でも患者同士なら打って響くように反応する。 

今日集まった3人の40代の女性は全く違った病状経過を辿っている。1人は、2年前に移植をしたが、未だ慢性GVHDに悩まされている。嗅覚が効かず、口腔内の機能が回復せず、味覚に障害がある。しかしグルメ志向の人で料理は趣味とも言えるほど好きで、毎日工夫をこらし料理を作る。焼き菓子まで作りその味は専門店の焼き菓子に勝るとも劣らない絶妙なおいしさなのだ。今日の持って来てくれた。それを食べながら交流会を和やかな雰囲気でやった。

2人目は、10月に慢性骨髄性白血病と診断され、グリベックを服用したが副作用がひどく、喉の炎症で呼吸が困難になるほどだったので服用を止め、今は無治療状態だという人だ。グリベックは副作用の少ない薬だと言われている。奏効率89%という効果的な薬だ。この病気は治癒することはなく一生グリベックを服用し続けなければならない。彼女はグリベックを1週間服用し中止したが、その効果はあって白血病細胞は縮小しているが副作用のため中止せざるを得ないというまれな例なのだ。

3人目は、入院患者の人で病棟から来てくれた。彼女は再生不良性貧血と診断され、免疫抑制療法(ATG)をやって回復したに見えた。しかしその後白血病になって、今年の1月に移植をした。これは珍しい例だ。骨髄異型性症候群の場合は急性骨髄性白血病に転移する場合があるが、再生不良性貧血で白血病になる例はまれだ。移植後GVHDが強く移植室に3ケ月いた。その後感染症で入院し、今回2度目の感染症での入院だった。肺炎ということだ。1週間後には退院するという。

血液がんに罹るということは、治療期間が長期に渡るということもあって、人生設計を根本的に変えざるを得ない。臓器がんの場合、転移がなければ外科手術で体調が回復すれば職場復帰も可能だ。

血液ガンの治療に伴う抗がん剤治療は体力を根こそぎ奪う。疲労感、倦怠感に数年に渡って悩まされる。職場復帰が極めて困難である。その意味でこれからの人生をどのように組み立てていかなければならないか考えざるを得ない。

そういった意味で患者同士の話は、生きることの根底に触れるものにならざるを得ない。「人生いかに生きるべきか」といった哲学的命題に直面するのだ。病気にならなければ日常の生活に何の疑問もなく流されるように生きていける。それが惰性と思って時々空しさを感じたとしても、そんなことは日常の多彩な出来事に翻弄され忘れてしまう。

しかし患者はそうは行かない。「いかに生くべきか」この問いを背をわなければならない。だからこそ患者・患者体験者の話は人間の本音の声であり、どんな言語よりも奥深いものである

テーマ : 思ったこと・感じたこと
ジャンル : 日記

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がん治療とは長く細い道を辿ら
なければならない。その先に希
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