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第34回日本骨髄腫研究会総会

11月21日(土)
日本骨髄腫研究会の総会が新潟の朱鷺メッセの会議場で行われた。A会場は医者が研究成果を発表し、医者が聞くといった内容になっている。B会場は、コメディカル(医療従事者)が自らの体験に基づいた患者ケアの方法について発表する。ボルテゾミブとサリドマイドの使用にあたっての様々な問題点を5チームがそれぞれ研究発表を10分位で行った。

今回の企画の意味について次のように語られている「第34回日本骨髄腫研究会総会では、これまでの研究会の主目的であった基礎研究から実地臨床における医師主導の研究発表の場のみならず、チーム医療を医師と供に根幹で支える看護師・薬剤師等の医療従事者への研究発表、交流の場を企画しております」。

この日の発言を全て網羅出来ないので一番印象に残った講演を記述する。特別講演として、国際骨髄腫財団(IMF)の共同設立者であり代表であるスージー・ノービスさんが「多発性骨髄腫と共に生きる患者における集学的治療及び副作用管理:米国の視点」と題し話をした。

特別講演
集学的治療
今までの医療は医者が中心だった。しかし現在は患者が中心である。患者に対して様々なフォローが行われる。それが集学的治療である。担当腫瘍専門医、ナースプラクティショナー・医療助手、看護師、疼痛専門医、腎臓専門医、理学療法士、放射線腫瘍専門医、整形外科、スーシャルワーカー、食事療法師、薬剤師、作業療法士などが患者を取り囲むようにしてそれぞれの分野で、患者のケアに当たる。

合併症、副作用の管理

多発性骨髄腫の特徴として、第1に骨破壊があり、それが溶骨性病変、病理学的骨折、高カルシウム血症になる。第2に骨髄浸潤で貧血をもたらす。第3にモノクロナールグロブリンによって、腎不全や過粘稠、クリオグロブリン血症、ニューロパシー、アミロイドーシスを誘発し、第4にグロブリン減少で、感染の危険が強まる。

こういった多発性骨髄腫には合併症への管理治療が集学的治療として行なわなければならない。例えば圧迫骨折に関しては、疼痛についての診察、椎体形成術、椎骨形成術、理学療法、作業療法についての診断などを行いながら患者の合併症への対応が各方面から必要となってくる。

副作用が十分に管理されなかった結果として次のような症状が患者に表れる。心理的影響(自尊心の低下、不安感およびうつ状態が患者の全体的な健康に悪影響を及ぼす)、生理的障害、服薬遵守の低下、社会的関心の低下、持続性の低下、有効性の低下などがある。逆に副作用の効果的な管理は反応、転機および患者の生活の質を改善する。

副作用の管理には、血液学的管理、静脈血栓症へのリスク管理、悪心および嘔吐の管理、便秘、下痢の管理末梢性ニューロパシー(神経障害)管理など多岐わたりそれぞれに対して適切な処置が必要である。

骨髄腫における生存
がん生存者の定義「診断を受けた時点から残りの人生までに時間がある個人をがん生存者と考えている。」(NCI,2004年) 多発性骨髄腫の生存率の上昇は質の高い生存ケアに対する新しいアプローチにつながる。生存ケア計画の根拠としては以下の点が考えられる。治療を総括する、治療の最新効果を伝達する、患者と医療提供者の間の持続的なコミュニケーションを促進する、健康的ライフスタイルを促進する(再発の防止、併存状態のリスク低下)。

生存ケアの不可欠な要素として、新規がんおよび再発の予防と発見、がんおよびその治療による影響への介入(骨粗しょう症など)、専門家とプライマリケア提供者間の調整が挙げられる。

生存ケアの一連の流れ、予防-(診断)-初回治療-持続的ケア-(維持)-フォローアップ-(再発進行性疾患)-終末期ケア

新潟080_convert_20091127205224 会議室外側の通路から日本海側を望む

新潟081_convert_20091127204830 通路から萬代橋方面を望む

コメディカルシンポジウム
イントロダクション
特別講演の後、コメディカルシンポジウムが 新潟県立がんセンター新潟病院の張高明医師の「チーム医療で難局を乗り切ろう」というイントロダクションで始められた。

今回のシンポジウムは、日頃からチーム医療の重要性を感じているコメディカルと共に、現状の問題点や他の医療従事者へのMessage等、“徹底した情報の共有”を目的としている。

テーマ1 -「知っておくべき合併症・副作用と求められる役割」といった内容を巡って4人が講演した
内容は「合併症と副作用について」「アンケート結果から見る骨病変診断・治療の実際」「副作用マネージメントの実際と薬剤師の役割」「患者ケアと看護師の役割」

テーマ2 - TEAMで守る薬の安全 TERMSを例に

ディスカッション 
チーム医療の実践 -今、考えるべき事・やるべき事 -
ディスカッサントとして4人が相互に話をした。この4人がテーマ1の講演を行った。
村上 博和 (群馬大学大学院 医学系研究科 保健学専攻)
和泉 透 (栃木県立がんセンター 血液内科)
川原 史子 (新潟県立がんセンター新潟病院 薬剤部)
柏木 夕香 (新潟県立がんセンター新潟病院 看護部)

以上のような内容で一日目の日本骨髄腫研究会の総会は終った。

患者交流食事会
18時30分から2時間、新潟グランドホテル3階の宴会場で患者同士の食事会が開かれた。丸テーブルが10位並べられそれぞれ8人づつ位座る。料理は大皿で運ばれてきて、テーブルが回り勝手に取って食べるというものだ。

ビール、ワイン、焼酎、日本酒が飲み放題。日本酒は新潟の銘酒「越の寒梅」「雪中梅」「八海山」などが並べられている。めったにお目にかからない酒が飲み放題というのだから嫌でもそこにターゲットを絞って通う事になる。

患者同士は話が弾む。似たような経験をしているし、薬や病状や血液の状態などすぐに話が通じる。それぞれ自分の病気の状態を語る事が自己紹介のようなものだ。2時間はすぐに終ってしまった。自分を語りから、人の状態を知ることによって、これからの治療の展望を模索していくのに役に立つ。また自分のことを話すことによって自分の考え方や生き方を整理する事が出来る。患者交流会はどんな場合も重要だ。

宿泊は新潟グランドホテルでは患者会の割引料金が設定されていたので、駅前のビジネスホテルよりは高いが、宴会後移動する気力などでないだろうと思って予約しておいた。宴会が終れば後は部屋に戻って寝るだけだ、ということで嫌が応にも酒のピッチが上がる。

このようにして夜の患者交流会は、最後に国際骨髄腫財団の代表Susie Novisさんとアメリカの骨髄腫専門医Brian Durie医師の挨拶を受け終了していった。

テーマ : 思ったこと・感じたこと
ジャンル : 日記

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なければならない。その先に希
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