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昔の友人S氏の事

2月7日(日)
何年かぶりに、同年配の友人と飲みに行った。共通の友人S氏の話題になった。もう7、8年会っておらずどうしているのかなと思っていた。S氏は私が付き合っていた頃は、業界新聞の記者をしていた。5年位前にやめて一時議員秘書をやっていて、その後タクシーの運転手をしているといった噂は聞いた事があった。それ以降どうしているか全く知らなかった。

入院して人と会う機会も限られ情報のルートが狭まってしまっていた。体調の問題や感染症の恐れなどで退院後もあまり外出しなかったせいもある。入院以前は仕事があまりにも忙しく、職場と家との往復で、仕事以外の人間関係からは完全に切断された生活をしていた。こういった状態だったので、S氏の現状を聞いて驚くことばかりだった。

友人はS氏のことを話し始めた。S氏は1年ほど前、大腿動脈の動脈瘤が破裂して手術を受けた。その手術はうまくいき少し片足を引きずるようになったが、日常生活には問題なかった。昔から彼は酒好きだったのは確かだ。飲みに行くと朝までつき合わされた。彼の身に何があったのか分らない。タクシー運転手になってから不規則な勤務形態も影響しているだろう。アルコール依存症が急速に進行していた。

大腿動脈瘤の手術から半年後、脳動脈瘤が破裂した。脳組織への出血(脳内出血)を起こし、脳卒中を来した。彼は意識を失い病院に担ぎ込まれたが、そのまま意識を取り戻すことはなかった。現在も植物人間のままベッドに横たわっている。半年以上眠り続けている。誰が呼びかけても何の反応もない。

友人はS氏のアパートを引き払うために、彼のアパートに行き鍵を開けて驚愕した。6畳と4畳半の部屋は70~80cm位のごみで埋め尽くされていた。何年も一切片付けることをしていない状態だった。缶や壜、発砲スチロールの食器が、部屋中に転がっている。結局、部屋は不用品回収業者に頼んで片付けてもらったということだ。

「彼は生きることを放棄していた」と友人は言った。元気な時のS氏しか知らない。一体彼はどのような煩悶を抱えていたのだろう。自分が壊れていくのを止める術もなく、意識を失うほどアルコールを浴びて心の闇を忘れようとしたのか。

彼は大腿動脈瘤の手術後、自分の将来の姿が見えたのだろうか。死を求めたが、死に切れず植物人間になってしまったのだろうか。彼に意識があれば運命の皮肉を痛い思いで噛締めているだろう。同じ時代を生きた友人の運命は自分の現状を映し出す鏡のようなもので重く深い意味を突きつけてくる。

テーマ : 思ったこと・感じたこと
ジャンル : 日記

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