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市民公開講座「血液のがんと共に生きていくために」

3月14日(日)
芝増上寺から歩いて慶応大学まで結構かかった。時間ぎりぎりになってしまった。慶応大学のキャンパスは図書館などレンガ造りの建物があり、それが大学らしい雰囲気をかもし出している。早咲きの桜が花を開きレンガ色の壁に映え穏やかな情景を作り出していた。

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13時から、慶應義塾大学三田校舎で、昨年に続いて「血液のがんと共に生きていくために」という内容で市民公開講座が行われた。事前に参加申込みをし、送られてきた葉書を持参して、それを入場券代わりにわたし会場に入る。最初は北館1階ホールでやる予定だったが、人数が大幅に増えて西館に移動した。

市民講座は最初のテーマは、4つのレクチャーによって血液がんの基本的な理解を深めていこうというものであった。各人30分位ずつ話した。

■ 血液がん(造血器腫瘍)について基礎知識を持とう
レクチャー1 血液がんとはどのような病気か理解しよう
血液の成分の説明から、多能性造血幹細胞とリンパ系幹細胞に分化し、さらに骨髄系幹細胞、各血球系前駆細胞を経て、血液細胞や形質細胞になっていく分化の流れが話された。そういった血液の分化の過程のどの段階でどういった血液がんが発生するのかの解説がなされた。

レクチャー2 血液がん患者さんの感染予防について学ぼう

戦前は肺炎、結核、胃腸感染が死因の多くを占めていたが、今はがん、脳血管疾患、心疾患が死亡原因の主流になっている。肺炎での死亡も最近では再び増えてきている。こんなに医学が進歩した時代に感染症が命に関わることがあるのか。

人の感染防御機構は
1)生理的バリアー(皮膚、粘膜、正常細菌叢)
2)食細胞(好中球、マクロファジー等)
3)液性免疫(抗体等)
4)細胞性免疫(Tリンパ球、Natural Killer細胞)

血液がん患者の感染予防
1)外部からの菌の進入を阻止(うがい、手洗い、人混みでのマスク、入浴)
2)体内の菌の増殖、侵入を阻止(抗菌剤の予防投与)
細胞性及び液免疫低下がある場合
3)ウイルス感染症の早期発見と抗ウイルス剤の早期投与
4)カリニ肺炎予防のためにバクタの内服
5)免疫グロブリン製剤の点滴投与(IgG低下の場合)

レクチャー3 血液がんの基本的な治療について理解しよう

血液がん(造血器腫瘍)の治療としては
化学療法、造血幹細胞移植、分子標的療法、支持療法。

治療の用いられる抗がん剤は大きく分け、
1)DNA/RNAの損傷や合成阻害をおこす薬剤。
2)微小管の機能を抑制する薬剤。

造血器腫瘍の治療の目標
1)根治を目指す=長期のQOLが確保された生存期間を確実なものとする。若年者-化学療法+骨髄移植
2)QOLを保った生存期間を少しでも維持する。高齢者-慢性骨髄性白血病に対するグリベック、濾胞性リンパ種や骨髄腫に対する治療

レクチャー4 血液がんの治療成績を理解するための知識をつけよう
生存率などの統計学的分析の方法についての解説がなされた。後向き研究=観察研究(予備調査、入手可能な情報をしよう、欠損値の存在、選択バイアス)。前向き研究=臨床試験(確認研究、情報の選択、無作為化が可能、長時間、高費用)この二つの研究を組み合わせながらエビデンス・レベルを決めていく。

臨床試験:第Ⅰ相、動物実験、第Ⅱ相、少数の患者で行うパイロット研究、多数の患者で行われる有効性研究。第Ⅲ相、大規模無作為化比較試験。第Ⅳ相、承認を得た対象疾患、用量、用法による市販後臨床試験。

また生存解析の方法についても解説された。評価項目が発生するまでの時間をグラフ化し、途中経過も反映するカプラン・マイアー法が多く使われている。こういった統計技法が治療法の比較研究に大いに役立っている。しかし統計量は推定値であり、治療上の決定は、臨床的名知識、経験、臨床研究の結果の組み合わせで行うべきである、と結論づけている。

■ 血液がんはどこまで治るようになったのか?-最近の治療の進歩を知る-
分科会1、悪性リンパ腫
分科会2、多発性骨髄腫
分科会3、骨髄異型性症候群/骨髄増殖性腫瘍
第2分科会の多発性骨髄腫に参加した。70名位が集まっていた。日本骨髄腫患者の会の知っている人も何人かいた。分科会は慶応義塾大学薬学部病態生理学講座の服部豊氏の講演で1時間以上にわたり、多発性骨髄腫へのサリドマイド、ボルテゾミブ、レナリドミドを中心とした新たな治療法の紹介を行った。講演内容はかなり多岐に亘っている。機会があったら詳しく報告したい。

■ チーム血液に参加する患者家族・介護者
慶応大学病院での患者会、家族会の紹介が行われ、患者同士、家族同士が話し合う場を持つことの意義が訴えられた。

テーマ : 思ったこと・感じたこと
ジャンル : 日記

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がん治療とは長く細い道を辿ら
なければならない。その先に希
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