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つばさファーラムin埼玉 「がん治療とうつ」

4月3日(土)
埼玉医科大学国際医療センター精神腫瘍科の大西医師については、ももの木の患者会に参加していた女性が遠距離を1日かけて通院し治療してもらった事があるということで名前は聞いていた。

がんの宣告をされた時に、まず患者はがんから死をイメージする。死亡原因の第1位はがんである。信じられない思いとそのショックが最初に襲う。そして長く苦しい治療を考え、その間の仕事や家族の問題で強いストレスにさいなまれる。そして精神的にどん底まで落ち込む。一般的にはその落ち込みは2週間位で回復するが、そのままうつ病になってしまう場合もある。

がん患者の半数近くが、がん治療中に適応障害やうつ病などの精神疾患の症状を呈してくる。その中で、3,4割は医者の治療を必要としている。緩和ケアを受けている患者の場合その割合はさらに増加する。

ある女性患者の例が話された。移植後1年以上経って、同じ頃入院していた人が働き始めているのに、元気が出ず体調が万全ではない。身体症状としては体がだるい、眠れない、精神症状としては気分が落ち込む、意欲が出ない、集中できないといったものだった。

この症状はうつ病であると診断し抗うつ剤を処方した。その結果まず体が軽くなったということから徐々に倦怠感が和らぎ何かをする意欲が出てきた。やがてうつ病を完全に克服する事が出来た。

うつ病の症状として9項目挙げられている。
 1. 強いうつ気分
 2. 興味や喜びの喪失
 3. 食欲の障害
 4. 睡眠の障害
 5. 精神運動の障害(制止または焦燥)
 6. 疲れやすさ、気力の減退
 7. 強い罪責感
 8. 思考力や集中力の低下
 9. 死への思い

がん治療においては、移植などの大量抗がん剤投与や、繰り返される化学療法による副作用として長期にわたり倦怠感、体調不良や食欲不振、睡眠障害などが継続しうつ病の症状に重なる所がある。

どのようの症状が出たらうつ病であると判断できるのか。眠れない、食欲がなくなる。頭の回転も鈍くなる。今まで何でも考えられていたのに、遅いコンピューターみたいに反応が鈍くなる。また、女性の場合はお化粧しなくなり、着る物が急に地味になり、くしゃくしゃであっても気にしなくなってくる、髪の手入れをしなる。そういう場合にはうつ病になっている可能性が高い。日常生活が出来なくなったらまずうつ病を疑った方がいい。

薬物療法でうつ病は90%は治る。それに安静が必要だ。また精神療法としては、患者が話す言葉に耳を傾ける。話をじっくりと真摯に聴くだけで意味がある。うつ病は薬で治る病気なのだから気持ちの問題などといって放置しておかないで、きちっと医者に診てもらう事が何よりも必要だ。

うつ病は、がん治療に重大な影響を及ぼす。がん治療で辛いのにうつ病の精神症状での苦痛で二重の苦しみを背負ってしまう。うつ病は意思決定に障害を及ぼし、治療意欲が低下してくる。がん治療に専念するためにはうつ病の治療は不可欠なものとなる。

精神腫瘍科という珍しい科だが、特にがん患者の精神医療は大きな意味を持っている。患者の多くががん宣告やがん治療という強いストレスに遭遇し、適応障害やうつ病になってしまうことが一般の人よりもはるかに多くの確率で起きている。同時にがん治療に伴う強い副作用が倦怠感や体調不良、食欲不振を伴うのでうつ病の症状を見落としがちである。うつ病の症状を早期に発見し医者にかかる事が何よりも必要だ。

テーマ : 思ったこと・感じたこと
ジャンル : 日記

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お奨めの大西先生の著書

全く同感です。よき医師との出会いがどれほど患者の命を輝くものにしてくれることでしょうか。

大西先生との出会いは、番町教会でのお話を伺ったときでした。語り口の柔らかさに、遺族外来も始められたという使命感溢れる患者・家族への想いが、衝撃的でした。間もなくして出版された著作を、直ぐに買い求めました。先生の語り口そのままの文字が静かに紐解かれる読者を待っているたたずまいです。

既にお読みになられたと思いますが、未読の訪問者の方々のために紹介させてください。

   「がん患者の心を救う」精神腫瘍医の現場から
      大西秀樹著;河出書房新社;1,600円

No title

大西先生の本の紹介有難うございます。『がん患者の心を救う』という本は読んでいませんでした。早速買って読んでみたいと思います。がん関係の色々な本が出ていますが、中々これといった本に巡り合う事が出来ません。大西先生の話を聴いて、彼の書くものはかなり感動的なものだろうと期待しています。
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Author:yosimine
がん治療とは長く細い道を辿ら
なければならない。その先に希
望があると信じながら。

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