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「4団体共催公開フォーラム」

5月9日(日)
「4団体共催公開フォーラム」が開催されるというので出かけた。場所は早稲田大学の元安部球場があった所が井深大記念ホールとなり、その1階が定員450名の国際会議場になっている。いつも思うのだが、がん関係のフォーラムで使う会場がかなり豪華なことだ。普通の市民会場ではない。今回は中外製薬と、ファイザーが協賛しているが、スポンサーの協力が大きいのか、会場が協力的なのか分らないがともかくいつも驚く。

高田馬場からスクールバスで西早稲田まで行きそこからはすぐだ。バスがかなり混んでいて降りにくかったので、早大正門まで行きそこから構内を通って会場に行く事にした。大学では、ちょうど司法試験の日だったようだ。伊藤塾の職員が受験生への激励のチラシを撒いていた。日曜日だというのに構内はかなりごった返していた。

早稲田005_edited_convert_20100510134634  早稲田大学国際会議場・井深大記念ホール

「4団体共催公開フォーラム」の共催の4団体とは財団法人パブリックヘルスリサーチセンター・特定非営利活動法人日本臨床研究支援ユニット・特定非営利活動法人血液情報広場つばさ・特定非営利活動法人キャンサーネットジャパンである。

このフォーラムは4回目で、今回のテーマは高額医療費の問題を扱う。「がん先端医療を速やかに患者さんに届けるには―がん医療費の実際と改革の可能性、知って欲しい高額医療と患者の生活実態」という内容で行われる。

最初に、開会の挨拶として「今回のフォーラム開催に至る経過と期待するもの」についての提起がなされた。基調講演1は「がん治療の費用について、患者・患者支援の視点から」ということで、3人が話した。

慢性骨髄性白血病の患者が一生治療薬グリベックスを飲み続けなければならず、高額療養費制度を使っても毎月44,000円を一生払い続けなければならない。多発性骨髄腫の治療薬サリドマイドは一昨年認可されたばかりだが、1錠100mg6,570円と高額で、保険適用によって患者3割負担でも月59,000円かかる。しかしその他の薬代と合わせても80,100円を越える事がなく、高額療養費の対象にならない。つまり毎月7万円前後の支払いが生ずることになる。

基調講演2では病院経営の立場から、「がん治療の費用について」、基調講演3では、研究者の立場から「海外での医療経済評価研究の紹介、イギリスNICEの例」、基調講演4では、オンコロジストの立場から「分子標的治療薬など高額な薬剤の使用に関して」、基調講演5では、研究者からの提言として、「がん患者の支出する医療費その他関連経費の統計からの分析」が話された。

講演の中で印象に残った話の1点目は、医療経済評価という考え方だ。イギリスのNICEが行っている。つまり新規の高額な薬剤が、患者の生存期間の延長や、QOLの改善に効果があるのか、従来の薬より高額の税金をつぎ込む価値があるのかを判断し、その効果があまりなく、しかも患者が使いたい場合患者の負担分を増やすという仕組みになっている。日本ではまだ導入されていないが、医療費高騰の対策として行なわれる可能性もある。

新規薬剤は、無増悪生存期間を延長させることには効果を発揮する。しかし、多くの場合生存期間の延長という点では従来の治療薬との有意差はない。高額な新規薬剤によって患者の生存を長らえることができない場合、病気の進行を遅らせることに意義を見出せるかの問題である。NICEで判断する場合、患者のQOLの改善も薬の効果として判断される。その効果によって国からの援助が可能となる。

もう1点は医療費の国庫負担である。患者が窓口で払う個人負担分の医療費の総計は5000億円位である。これを全額国で補填するということは出来ないものか。昔個人負担は1割だった。それが3割にまで増額した。5000億円という額は、子供手当てなどのことを考えると出せない数字ではない。国が患者の事を真剣に考えるならば不可能なことではない。

基調講演を踏まえて、講演者を中心にした「もっと知ってほしい、がん高額医療のこと」と題してパネルデスカッションが行われ、最後に、キャンサーネットの事務局長からの閉会の挨拶で終った。詳しい内容は「CNJがん情報ビデオライブラリー」で公開するというのでそれを参照する事が出来る。

確かに日本の健康保険における高額療養費制度は患者にとって有り難い制度であるのは間違いない。幾ら医療費がかかっても、最初の3ケ月は80,100円支払うが、それ以降は44,400円支払えば済むというのは経済的に助かる。

しかし、血液がんなど長期に治療を続けなければならない、また治癒しない血液がんなどは一生高額な医薬品の使用を余儀なくさせられる。正社員で普通に働ける人にとって支払いが可能かもしれない月額44,000円は、例えば国民年金受給者にとっては大変な金額である。40年間年金を払い続けても受け取る額が月79,000円でしかない。ここから44,400円払うのはどれ程の負担になることだろう。

そもそも治療中のがん患者はなかなかまともな職に就けない。従って低賃金に甘んじなければならず収入も不安定だといった状況にある。金が払えず治療を諦めるという事があってはならない。

今の制度の抜本的見直しを考えていかなければならない時期に来ている。血液情報広場つばさ、慢性骨髄性白血病患者家族の会、骨髄異型性症候群連絡会、日本骨髄腫患者の会の4団体が協働して、社会に働きかけるために「血液がん・高額療養費制度見直しを提案する連絡会」による運動をスタートさせた。こういった運動によって、誰でもが必要な治療を経済的な心配なしに受けられる体制を築いていくことが求められている。

テーマ : 思ったこと・感じたこと
ジャンル : 日記

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老人手当ほしい

 こんばんは。m{oYo}屮

 このフォーラム,偶然見たNHKニュースで報道されていました。

 NHKニュース動画サイト
 http://www3.nhk.or.jp/news/newsvideo_top.html

 やっとわかりました。
 毎月44,000円上限で済む高額療養費制度の恩恵をあずかるためには,その前に,80,100円を越える月が2回だか3回だか必要なんですね。
 でも,サリドマイドは,ちゅうとはんぱに高いために,44000円以上80100円未満となるケースが多く,高額療養費制度の適用が受けられないと。
 病状が安定している患者については,今後サリドマイドを12週間まとめて処方できるようになる予定なので,とりあえず,救済できると思います。しかし,これからも同様なケースが出てくるので,抜本的には制度自体を変えるしかないですね。

No title

m{oYo}屮 この顔文字は良く出来てますね。たかが顔文字されど顔文字といった感じで、アイデアとセンスに溢れています。
サリドマイドは確かに12週間処方が可能となりましたが、長期の処方に関しては健康保険の審査機関から文句が出るそうです。実際そういった例があるということです。
私の場合、バルトレックスとフルゴナゾールが健康保険の対象からはずされるということが起こりました。何やかやと文句をつけて仕事をしているポーズを取っているとしか思えません。患者の病状とは無関係な机上の空論で判断されてはたまったものではありません。
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がん治療とは長く細い道を辿ら
なければならない。その先に希
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