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死刑を考える集い「死刑廃止100年 ためしてガッテン! 北欧の体験」

8月29日(日)
昨日、「死刑廃止国際条約の批准を求めるFORUM90」主催で集会が行われた。

死刑を考える集い「死刑廃止100年 ためしてガッテン! 北欧の体験」
死刑のない国を知っていますか? それはどんな社会でしょうか?
最後の死刑執行から100年以上を経た北欧諸国の姿を、森達也さんと共に学びます。

フーラム90は結成20周年ということで、12月19日日比谷公会堂での大集会を予定している。そのため毎月様々な視点で死刑について考える企画を行っている。
8月8日 (日)死刑執行抗議集会(千葉景子法相による死刑執行抗議集会)
7月24日(土)死刑と冤罪、そして再審を考える
6月12日(土)ドキュメンタリー映画『赦し・その遥かなる道』 日本語版完成記念試写会
4月29日(木)政権交代と死刑廃止(死刑廃止の戦略を考える)

ノルウェーの行刑制度
今回は、森達也さんがノルウェー・オスロ大学の法学部教授へのインタビューを中心としながら、ノルウェーの行刑制度全般について紹介するNHKのBSで放送された番組のビデオ上映と、その後の森達也さんの講演という企画だった。

ノルウェーの行刑制度については、1992年4月にオスロ大学犯罪学研究所の研究員リル・シェルディンが来日した際色々聞いていた。彼女はアボリショニスト(刑罰廃止論者)トーマス・マシーセンの教え子で、彼の書いた『裁かれる監獄(Prison on Trial)』の英訳本を贈呈された。

ビデオで上映されたノルウェーの行刑制度のあり方は、ある意味でマシーセンの主張した刑罰廃止論の現実形態のような気がする。ノルウェーも一時期厳罰化の流れがあったというが、様々な行刑改革を行いながら、裁判への市民参加や犯罪被害者、加害者と関わりを通して今のような形態に進化していった。

刑罰廃止といった主張はそれ自体をとれば、夢想に近い主張に見える。しかしマシーセンの主張した考え方はまさにノルウェーの行刑制度の中で行われている事である。非拘禁化、非刑罰化、加害者と被害者との間での民事的解決、こういったマシーセンの主張が実施されている現状がノルウエーの行刑制度の随所に見られる。

以前日弁連が、ヨーロッパの監獄を視察したビデオを見たことがあるが、房内でテレビが見られたり、パソコンが出来たり、日中は房名から出られ共有室で過ごせたり、といった刑務所内の処遇面での拘禁性の緩和措置に関し日本の監獄との差を感じた。

しかし問題は刑務所内処遇の改善ではない。いかに囚人の再犯を防ぎ社会復帰を可能にするかなのである。重罪犯が収容されているのは、オスロ沿岸の島である。囚人は島の中では自由に動きまわれる。ある囚人の取材では、彼は島の1軒屋に3人で住んでいる。炊事、洗濯、掃除は当番制で、分担して行っている。彼は1日3往復の島への船の運転をしている。

申請すればいつでも外泊できる。家族との関係を維持するという事が出獄後の生活にとって極めて重要だ。この島では社会復帰に必要な様々な教育を受ける事が出来る。

ノルウェーでは市ごとに「解決調停制度」というものがあり、市民から選ばれた調停委員が犯罪被害者、加害者を呼び話し合いをして、問題解決に当たる。その話し合いで9割がた解決する。ここで解決できれば、訴追されることはない。まさに犯罪を刑事的にではなく民事的に解決するという手法だ。

ノルウェーの行刑制度についてのビデオの内容は、死刑制度については何も語られなかった。しかし、死刑制度を廃止しているからこそ、斬新な行刑改革が可能になったということを強く感じさせるものであった。応報刑としての死刑制度の存続を前提には行刑改革は望めない。

ビデオ上映の後の森達也さんの講演。
caad902204d06d08.jpgある学者が言っている。犯罪者になる原因は3つある。幼児期の愛情不足、生育期の教育の欠如、現在の貧困である。犯罪をなくすにはこの3つの問題を解決することだ。つまり社会保障制度と教育の問題だ。不足分を補うそれが犯罪抑止になる。それ以外に、ドラックなどの問題は、病気として治療の対象として扱っていく。

刑罰という考え方は、罰という言葉の中に苦しみを与えるという事が含まれている。しかし犯罪者はすでに多くの苦しみを抱えて生きてきた、これ以上苦しめてどうするのか。彼の不足分を補ってやることが必要なのだ。ノルウェーでは出所の条件がある。住所がある、仕事があるということだ。この2つを自力確保できない人に関しては、国がアパートを用意し、仕事も与える。

日本の犯罪発生率は年々下がっている。2007年の統計では殺人は1199件だった。これは戦後最少である。この数字は人口比でみるとノルウェーとほぼ同じである。しかし何故日本は厳罰化の傾向が進み、死刑判決が増加しているのか。これはマスメディアが作り上げた体感治安の悪化が原因だ。犯罪が起こると市民に犯罪への恐怖をかきたてる扇情的報道を何度も繰り返す。

国境なき記者団が、各国のマスメディアを評価している。報道内容がいかに政府や警察から自由か、人権に配慮しているかなどが基準となる。日本は50位という有様だ。最近30位になったが理由は分からない。ともかくメデイアに関しては人権後進国であるのには変わらない。

懲役は教育刑であり、死刑は応報刑である。この2つは矛盾している。死刑は戦争と同じように、他者への不安、恐怖をかきたてることで成立する。北朝鮮の脅威を煽りたて、戦争抑止のため軍隊が必要という。犯罪抑止のため死刑制度が必要だというのと同じ論理だ。死刑制度を廃止した国で、犯罪が増えるということは統計的に全くない。北朝鮮の脅威などは何ら根拠がない。全ては一部政治家とマスメディアの扇動に踊らされているだけである。

86%の人が死刑に賛成だというアンケート回答がある。死刑廃止になった国では、廃止時死刑賛成が6割位である。死刑制度廃止後の賛成の数は4割位に減る。日本の場合かなり多い。オウム事件のあった95年以降、人間が潜在的に持つ他者への不安や恐怖が、激しく刺激されてきたことが大きいと思う。その帰結として、善なる自分たちと悪なる彼らとの違いを過剰に強調したくなった。つまり善と悪双方の純度が上昇した。だからこそ厳罰化が高まり、死刑を求める声が強くなった。

死刑支持の世論はマスメディアの犯罪報道の影響もあるだろうが、死刑の実態について殆どの人が知らなすぎる。27日に刑場が公開された。こういった形で、死刑の情報が公開され死刑制度の現状を知れば死刑制度に対する見方も変わって来るだろう。

テーマ : 思ったこと・感じたこと
ジャンル : 日記

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