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NPOグループ・ネクサス第8回フォーラム

11月13日(土)
 NPOグループ・ネクサス第8回フォーラムが「リンパ腫を知ろう・リンパ腫を話そう」といった内容で、東京医科歯科大学湯島キャンパスの講堂で10時から行なわれた。

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原発性マクログロブリン血症はWHOの分類によると「リンパ形質細胞性リンパ腫」という名前でB細胞性非ホジキンリンパ腫に含まれている。治療法もリンパ腫の治療法が主流である。私の場合は骨髄腫の治療薬で治療を続けてきているが、リンパ腫の情報は貴重である。昨年9月に第7回フォーラムにも参加したが、医学の進歩は日進月歩、新たな情報が得られるだろう。

 全体で印象に残った話としては、移植をするかどうかの選択の問題だ。自家抹消造血幹細胞移植の場合、移植関連死は5%だが、同種フル移植では40%、ミニ移植でも20%の合併症も含めた移植関連死が報告されている。

危険を回避しリツキシマブの定期的な点滴などを行いながら延命治療を続けていくのか、死をも覚悟し完治を目指して移植を選択するのか。それは自らの生き方の選択なのである。多分若ければ移植を選ぶだろう。これから長い人生を考える時、危険を顧みず完治を求めるだろう。

血液がん患者は多かれ少なかれいつ再発するかの不安を抱えている。さらに悪性リンパ腫の患者は長期の放射線治療による二次発ガンのおそれを抱えており、また濾胞性リンパ腫で長期治療の場合4割から5割の患者がびまん性リンパ腫に形質転換(transformation)するが、そのことも心配の種だ。転換した場合、抗がん剤が効きにくく、半数の人が転換後平均的には1、2年で亡くなる事が多い。

 フォーラムは10時から16時までとかなり長時間である。プログラムは以下の通りだが、大体の講演内容は会場で配られた「NEXUS通信22号」に掲載されている第6回フォーラムの報告記事「悪性リンパ腫・現在のエビデンスと新規治療法の展望」に書かれている事と重なる部分が多い。

3番目の「血液がん診療の今日と明日」に関しては、「NEXUS通信」の報告記事になかったので簡単にまとめて報告したい。

 プログラム
午前の部・リンパ腫を知ろう
 10:00~
 「リンパ腫総論~病態と治療の進歩」
 「リンパ腫に対する造血幹細胞移植」
 「血液がん診療の今日と明日」 
 「リンパ腫に対する最新の治療進歩と新規治療薬」

午後の部・リンパ腫を話そう
 14:00~
 「リンパ腫を話そう~患者と家族によるトークセッション」
 司会:天野慎介(患者経験者、ネクサス理事長)
 パネリスト:岩岡秀明(患者家族)、佐藤昂(患者経験者)、多和田奈津子(患者経験者)

リンパ腫患者・家族交流会 15:00~16:00

 「血液がん診療の今日と明日」 鈴木律朗(名古屋大学 造血細胞移植情報管理・生物統計学)
§ 新薬の開発に製薬会社は幾ら位使っているのか、数億から数十億だろう。国の新薬審査システムでは年間100億から1000億使っている。厚生省の未承認薬開発支援事業では、昨年は753億の予算だったが、今年は100億に削減された。

T・NK細胞リンパ腫は治療が難しく、標準的な治療が見つからずにいた。新薬の登場を待つのではなく、従来の薬の組み合わせでどうにかならないかと臨床試験を繰り返し、SMILE療法を見つけ出した。5種類の薬剤を組み合わせその最適な投与法を見出したのだ。この療法によってT・NK細胞リンパ腫の治療は画期的な進歩を遂げることになった。この研究に対して厚生省は最初3000万円の補助金を出したが、今年は打ち切られた。

新しい治療法の発見には、新薬の登場によることが多いが、従来の薬を使用しながら、それをいかに組み合わせ、薬剤の量や投与法を考え研究し、従来との比較などを行ないながら地道な臨床試験の積み重ねによる事が多い。

§ 統計解析という見方がある。統計によって信頼区間を見極めていく事が重要だ。例えばA病院での治療の成功率が50%、B病院では40%だとする。しかしこの元になっている数字に注目しなければならない。A病院での統計の元となっている患者が4名で2人が治癒し、B病院では50名中、20名が治癒したとする。治癒率は数字上A病院の方が上だが、B病院の方が臨床経験が豊富だという事になる。

これを統計解析の信頼区間という見方で分析すると、A病院・4名中2名=50%(信頼区間7~93)、B病院・50名中20名40%(信頼区間26~55)という計算になる。数が多くなればなるほど信頼区間は狭くなる。それだけ確かな情報となる。

§ 宮城県の臍帯血バンクが経営危機に陥っているという記事があった。神奈川の臍帯血バンクが東京と合流する事になった。臍帯血移植をした場合、健康保険適用もあって患者負担はかなり軽減されている。海外では250万から400万円の個人負担となっている。骨髄バンクを利用した場合には約50万円以上の個人負担となる。日本では臍帯血移植はかなり安く済む。

何故臍帯血バンクの経営が厳しいのか。これは臍帯血バンクの成立が急がれ、厚生省は一時的な措置として補助金でまかなおうとした。臍帯血を使用した場合1回幾らといった形で補助する。しかしバンクが出来てから10年経ち、補助金で対応するというやり方ではもはや限界に来ている。法律で整備して運営を抜本的に改めなければならないだろう。

§
 「血液がん診療の明日のために」必要なものとして以下の事が考えられるだろう。
・ 新薬の開発、利用
・ 抗がん剤の新しい組み合わせの研究、治療
・ 臨床試験への政府の補助を求める
・ 血液内科医の増加
・ 生物統計家の育成
・ 臨床医の意識改革
・ 患者、社会に対する啓発・教育システムを確立していく
・ がん治療への法律整備と予算の設定
・ 患者が自らの要求をかかげ声を上げる
・ 声を政治家、マスコミに届けるノウハウを獲得する

テーマ : 思ったこと・感じたこと
ジャンル : 日記

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がん治療とは長く細い道を辿ら
なければならない。その先に希
望があると信じながら。

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