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入院35日目(何が豊かな生き方か)

3月9日(水)
1、友人からメールが届いた。彼は脳梗塞で入院したが術後も良く、自宅で療養生活をしていた。しかし家からは殆ど出ない。同年輩である友人が家に閉じこもって徐々に生きる気力を削り取られていくようで、彼にともかく家から出る事歩く事を何度も勧めた。やがて彼は家の周辺の散歩から始めて徐々に行動範囲を広げていった。彼から昨日梅を見に神社に行ってきたというメールが送られたきた。その中には次のように書かれていた。

もうずいぶん以前に雑誌で読んだのですが、岡本文弥という新内語りの方のインタビュー記事の中で「一日が終わり、寝床に入る。べつに、なにが、どうということはないが、なんとなく、あしたが楽しい、という心持ちで床に就く。」 ー 当時百歳を過ぎていたのではないかと思います。その歳にしてものごとを求めることの軽やかさが印象が残ったものでした。私もこの様に人生を送りたい、とメールの最後に書かれていた。

2、円覚寺の総門脇に詰所の様な所がありそこに、禅宗の教えにつながる言葉が栞として置いてある。その中に「日々是好日」という言葉がある。
「私たちの人生には雨の日も、風の日も、晴れの日もある。雨の日は雨の日を楽しみ、風の日には風の日を楽しみ、晴れの日は晴れの日を楽しむ。すなわち楽しむべきところはそれを楽しみ、楽しみ無きところもまた無きところを楽しむ、これを日々是れ好日という。どんな苦しい境界に置かれても、それを心から味わえるようにならない。」(原典・碧巌録)

3、かなり昔の話ではあるが、老作家がいた。彼は近所の本屋と懇意にしていた。彼は欲しい本があれば、その店に頼んで取り寄せてもらっていた。ある日老作家は店主に「エンサイクロペディア・ブリタニカ」はあるかと聞いてきた。店主はブリタニカは手に入れるのに1ケ月以上かかります、すぐ手に入る百科事典は別の種類になります、と答えた。店主は不思議に思った。老作家はガンで余命半年もないということを知っていたからだ。また作家の懐具合が豊かでないことも。老作家は、時間がないから直ぐ手に入る方でいいと言って、2、3日後に配達しますという店主の声を聞きながら、楽しそうに店をあとにした。

この3つの話で何を感じるだろうか。どの様な境遇に置かれようがあるがまま自分の生きたいように生きることの意味を感じさせるものであった。とりわけ意識してなにかを成し遂げようとするのではなく、今生きていることを限りなく肯定できる心の持ち方が必要なのだ。残された人生を百科事典を読みながら過ごしたい、そういった安らかな心の安定が必要なのだろう。どの様な境遇に置かれようが、平常心を失わず自分の生き方をたおやかに貫いていく、そういったものこそ心の豊かさであり、心の本当のゆとりではないか。

テーマ : 思ったこと・感じたこと
ジャンル : 日記

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感謝☆

最近、色々思うことがあったので、すごく元気をいただきました。

心が、軽くなりました♪

ありがとうございました☆☆☆

No title

特に禅宗に意義を見い出している訳ではないのですが、色々人生に示唆を与える言葉があります。特に気にいっているのが、道元の良く知られた次の和歌です。
「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり」
まさにあるがままをそのまま受け止めるということなのでしょう。

No title

退院おめでとうごさいました、ずっと見守らせていただきました。とても生き方やお考えが勉強になります。これからもよろしくお願いします。仙台はまだまだ寒いです

No title

みりさん久しぶりです。その後病気の原因がわかり、治療法は見つかりましたか。状況はわかりませんが、元気で過ごしていることを祈念しています。ともかくめげずに色々求めていけばきっと何らかの答えは自ずと出てくるでしょう。
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Author:yosimine
がん治療とは長く細い道を辿ら
なければならない。その先に希
望があると信じながら。

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